二話 ページ3
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No Side
「あー! ばばあの天ぷらが食いてえ!」
「そうかー、伊之助は天ぷらが好きなのか! 善逸は何が好きなんだ?」
「俺は禰豆子ちゃんが好き〜! ねえ〜ずこちゃ〜ん!」
「……」
三人が楽しくおしゃべりをしながら角を曲がろうとした時。
ドン!
「きゃっ!」
「わあっ!」
「大丈夫か善逸!」
「うん大丈……ぶっ!? わわわわわ天使だっ! もう天使だよね! ねえ!? かわいいね君! 名前は何て言うの? 僕は善逸! かわいいねえっ!!」
「えっと……」
「善逸! この子が困ってるじゃないか! 大丈夫だった? ケガは?」
「平気です、私こそぶつかってすみませんでした! 申し訳ないですが、急いでいるので失礼します!」
「あっ、ちょっと待ってよ君〜!」
善逸が追いかけようとすると、曲がり角からたくさんの男が走ってきた。
「あいつだ! いたぞ! 追え!」
「えっ!? 何!? 警察!?」
「……なんだあいつら」
「カア〜! 西南西〜、西南西〜! 急ゲ〜!」
「しょうがない、早く行こう。善逸、行くぞ!」
「ええ〜!」
三人は警察に追われる少女を気にかけながらも、任務へと向かった。
「この辺だな……」
着いたのは、家が建ち並ぶ人通りの少ない道だった。
「鬼の音……一匹じゃない」
「おい鬼い! こそこそしないで出てきやがれ! 伊之助様の踏み台となれえ!」
すると、三人を囲むように五匹の鬼が現れた。
「へえ、三人か」
「今回はまあまあ戦えそうね」
「最近のやつらはどいつもこいつも戦いにならなかったからなあ」
「「お腹すいた。早く食べたい」」
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作者名:Rabbita | 作成日時:2020年5月9日 14時