待ち合わせ ページ7
『んっ…ふぁ……』
大きなあくびと伸びをしながら俺は布団から
出た。
ふと、時計を見ると午前９時。
昨日遅くまで編集していたせいか、
俺としては珍しく起床が遅くなった。
あー、今日撮影無いんだっけ…。暇だな…。
鏡の前で爆発した髪を整えていると
スマホが通話を知らせる。
画面を見るとシルクの文字。
朝から好きな奴と話せるなんて、と少し嬉しく
なりながら電話に出た。
シルク「マサイ？準備できたか？」
ふわぁ…とあくびをしながら会話するこいつは
可愛くて仕方ない。
俺以外にもこうなのかと思うと少し、
気分は悪くなるが。
『は？何の？』
そう、シルクの声について語っている場合では
無いのだ。
今日撮影は無いはずだし、一体何の…？
惚けて答えるとはぁあ！？と怒った声で
電話越しに怒鳴りつけてくる。
シルク「今日一緒に浴衣買い行くって
言っただろうが！！」
・・・。
やっっべぇ………！！！
そうだ、今日は珍しく撮影が無いから
花火大会に着ていく浴衣をシルクと一緒に
買いに行く約束をしていたんだった……。
シルク「お前、忘れてたとか言わないよなぁ？」
電話越しの圧力が怖いです。
『ちょっ、10分！！10分待ってくれ！！！』
久しぶりにやらかしたと自分に腹が立ち、
10分の猶予をもらうことができた。
シルク「てめぇ、絶対だかんな」
うわぁ…怒ってるぅ……。
ブチッと通話を切られプープーと耳につく。
取り敢えず髪を整えて、歯磨いて、服着替えて
必要な物だけ持って、もう1度鏡を見て、
準備が終わったのは猶予を5分過ぎた
15分後だった。
はぁ…、シルク1人で行ったよな………。
まぁ、自業自得なんだけどよ。
肩を落としながら玄関の扉を開ける。
外に出て扉を閉めて鍵をかける。
「おっせぇよ、馬鹿野郎」
『は？』
声のした方へ顔を上げるとそこには
黒いキャップを被ったシルクの姿。
シルク「なにボーッとしてんだよ、行くぞ」
サンダルをペタペタ音をさせながら歩くシルク
こいつ、待っててくれたのか。
こいつのこういう所が好きなんだよな……。
シルク「ったくよ、遅せぇよ。ジジイになっちまう。」
前を歩くシルクがブツブツと呟く。
『ジジイになっても待っててくれんのかよ』
シルク「は、はぁ！？うっせぇよ…」
帽子を深く被ったシルクの顔は、
いつもより赤く染まっている気がした。
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凛月(プロフ) - 、さん» 見落としていました。ありがとうごさいました。 (2018年7月23日 22時) (
レス) id: 9c150fb34b (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月23日 21時) (レス) id: 3c9ca68a27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2018年6月2日 12時
