唄人君の護恋 ∞ RED

49. M ページ49

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ー マル side ー



ベースは、好きでやってたとちゃうくて。

仲良かった友達の為に付き合ってた感じが強かったんやけど

すばる君について行くためにそれから猛練習。

やっとベースの面白さがわかり始めた今日この頃。




「すばる〜ぅ」



床に座りギターをかき鳴らすすばる君と背中合わせに寄り添うAちゃん。

ぽっかぽかなこの空気に僕も自然と口角がゆるゆる。



「・・マル、きしょ」

「えぇぇっ！何でですのぉ！？」



何でない日常。

これが当たり前でめっちゃ居心地良くて

ずっと続くと思ってた



んやけど・・・



知らへんままやったんですよ、僕は。



気付いたのは、そう、もう寒い冬の季節。






「あれぇ？Aちゃん？！」



クリスマスライブに向けて、これまた猛練習の日々。

いつもならすばる君の横にチョコンといるAちゃんがいてへんくてぇ

おかしいな？とは、思ってたんやけど
忙しさにかまけて忘れてて


ふと、思い出したのは
誰もいない公園のベンチに座るAちゃんを見つけた時。




「あ、マルちゃん・・・」

「どないしはったんですのぉ？」



何故この時間にここに？
何故練習に来てなかった？

丸々含めた僕の問い。



「あー、ちょっと用事」



そう言うAちゃんのピーンときた。

これ、何かある！って。



「すばる君とケンカしはったん？」



よー考えれば、すばる君の機嫌悪かったような。




「うんん、してないよ。
・・・すばる、元気？」




耳を疑うような質問。

だって、Aちゃんがすばる君の様子聞くとかありえへんもん。


常にそばにいて
誰よりもすばる君の様子に詳しいはずやのに・・







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