唄人君の護恋 ∞ RED

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「もっと落ち込んでるもんと思ってた」

「これでも落ち込んでるよ」




すばる新彼女出現より約1週間後。

【来い、店】との亮君からの連絡。


すばるに禁止されて
1度も踏み入れた事がないヒミツの花園。


落ち込むよりテンションが上がっちゃってるんだよね。





「今まですばるに彼女が出来たのは1度や2度の事じゃないもん。
日常茶飯事ってわけじゃないけど、今更ぐちぐち言っても始まんないし」




って、思えたのは何年前だっけ？

彼女が出来ようが
目の前でイチャイチャされようが

全く冷めなかった恋心。


こうなったら、突き進むしかないわけ。




「亮君心配してくれたんでしょ？
ありがとう」

「いや、まぁ、うん」

「あ、照れた」

「ちゃうわ！」

「それで亮君は何で私より落ち込んでるわけ？」




ビクッと肩を揺らした亮君。

気付かないと思った？

私もマルちゃんが
『亮ちゃん落ち込んでんねん』って昨日電話で聞くまで気付かなかったけどね。




「・・・すばるくんに会うた？」

「会ったけど？」




真剣な表情でじーっと見つめられる事数秒。


な、何？




「すばるくんの髪」

「髪？切ってたね」




今度は、ビックリ眼。

そして、瞬時にめっちゃ “ありえない” って目が言ってる。




「切ってたんやで、髪ッ！」

「う、うん」

「あの長髪をバッサリ！」

「うん・・」

「俺に断りもなく勝手にっっ！！」




と、とりあえず亮君がめっちゃ怒ってショック受けてるって事はわかった。









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