海の虹 ∞ (ページ31)

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もう、会う事も喋る事もない。
そう思ってた。
そう思ってたのに・・

「スーさん～！」

コンビニで見かけるたび話しかけてくるみち子、いやA。
ちょこちょこ喋るようになって、敬語も無くなった。

「生地の買い付けに行ってね、地酒買って来たんだ。
スーさんが好きな系統だと思う」

「へーえ、どこの？」

で、誘われていつの間にか通うようになり。
いつの間にか、帰る場所になってた。

「今日もお仕事お疲れ様～、乾杯～！
んー！美味しい！明太子もうまっ！」

ご当地地酒と並んでテーブルに乗ってるのは、俺の土産。

「出張だったの？」

「ん」

「福岡楽しかった？」

「まぁまぁやな」

「そっか、楽しかったのなら良かった」

Aには、まぁまぁの言葉で楽しかったって伝わる。
それが妙にこしょばくて嬉しい。
でもそのAに、ほんまは出張やなくてコンサートとは言えてへん。
もっと言えば、Aは音楽関係の仕事って思ってて俺がジャニーズで関ジャニ∞ってのも気付いてへん。

元々、テレビ見ひん子やし
お互い土日祭日関係なく働いてるし
2人で出かける事もない。
そのせいで不思議に思われる事もなかったんや。

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