海の虹 ∞ (ページ23)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:16,921 hit

ー13 ページ23

.

帰る場所も描く未来もちゃうけど
2枚で1つのデザイン画をそれぞれ持って小さな約束を胸に俺達は、別れた。

別れた時には、日が暮れ辺りは真っ暗。
こんな時間に帰ってみち子怒らへんやろうか？ってばっか考えてた帰路。

長かったはずの道のりなのに帰りは、あっという間に着いた。

たった1日離れただけやのに、懐かしい。
練習サボった形になった俺をヒナもヨコも怒ってたけど心配かける様な事にならへんくて良かったわ。

一歩、一歩や。
立ち止まる時もあるけどそん時は、財布に入れたデザイン見つめて踏ん張った。

みち子の勘通り、次の年無事にデビュー。
順調とは行かへんけど確実に上を目指してた。

「何や、またそれ見てるんか」

「ヒナ・・、まぁな」

「今度は何悩んでんねん」

「・・何でわかんの」

「アホ、何年の付き合いやと思ってるんや。
それ見る時、毎回すばる悩んでる時やろ」

「そうか・・」

紙の端がボロボロ。
折跡がくっきり付いたデザイン画は、財布が変わろうと毎回同じポジションにいる。

.