腹黒君の嘘恋 ∞ Blue (ページ38)

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付かず離れず。
そんな距離での安田君との付き合い。

ランチも一緒に食べたり食べなかったりその時々で変わるんだけど

あのクラブの日からちょっと変化があった。

「そう言えばAちゃん、カップケーキ食う？」

「・・食べる」

「ここの美味いって評判で買うてみたんや」

ラーメンとカレー、いつもの同時食いを披露してくれてた大倉君はふと手を止めるとカバンから紙袋を取り出し渡してくれた。

「ナナコちゃんは？」

「私、太っちゃったから」

・・・十分、細いよ。

体重が気になるお年頃だけど目の前の甘い誘惑に勝てるはずもなく(勝とうとも思ってないが)

可愛らしくデコレーションしてあるカップケーキをパクリ。

「ん～～っっ！！美味しっ！」

「ほんま？良かった」

そう。
大倉君が甘い物を持って来るようになったんだ。

最初は、ナナコちゃんのためだろうと思ってたんだけど

太るからとの理由で最近は、食べなくなったナナコちゃん。

それでも大倉君は、持って来る事を辞めなくて
誘惑に勝てない私が食べてるのが現状。

「また、おーくらAちゃん餌付けして」

餌付け？
これ、餌付けなの？！

「あかん？
だって、めっちゃ美味しそうな顔して食うんやもん。
癖になったわ～」

「安田君も食べる？美味しいよ」

「・・名前」

「え？」

「約束したやーん！
僕の事章大って呼ぶって」

あぁ、約束したね・・

でも、それは押し切られたと言うか。

「呼んで、しょーたって」

そんな可愛くハートマーク付きで呼ぶ約束はしてないはず。

「呼ばへんと返事せーへんでぇ？ええのぉ？」

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