腹黒君の嘘恋 ∞ Blue (ページ21)

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21. ページ21

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「講義違うでしょ？
1人で行けるから大丈夫だよ」

「ええから、ええから。
ほら、行くでぇ～」

「ちょ、」

手を繋がれたままじゃ、ついて行くしかない。

「たぁくん私も送ってぇ」
って、ナナコちゃんの甘い声が背後から聞こえた。

「面倒な事言わんとって」

ナナコちゃんの甘えた声のせいか大倉君の声が何故か冷たく感じて

それでも諦めてないナナコちゃん。

彼氏彼女の会話を本能的に聞きたくなくて
私は、2人の会話から逃げるように歩を速めたんだ。

「・・・」

「腹一杯で寝そうやわ～ぁ」

ギュッと強く握られた手。

安田君？

表情を伺っても、いつもの笑顔で何を考えてるかわかんない。

だけど、時折ギュッと握る手が
“ 大丈夫や ” って言ってる気がして

気のせい、そう言ってるわけじゃないはず。
それなのにそんな気がしたんだ。

「ほな、勉強頑張ってなぁ」

「うん、ありがとう」

本当に教室まで送ってくれた。

教室の入り口でお礼を口にする私に安田君は笑みを浮かべ

「帰りも迎えに行く、A勝手に帰んなよ」

「！！？」

ボソッと吐かれた言葉は、ブラック安田を匂わせてた。

でも、慌てて顔を見るけどそこには、笑顔の安田君。

「安田君・・？」

「そろそろやと思うから、ね。
迎えに行くまで1人になったらあかんよ？」

「・・・」

「・・A、返事」

「ーーっっ、は、はい・・・」

突然出て引っ込むって！！！

条件反射で返事しちゃったじゃん。

「ん、ええ子」

ポンポンと頭を軽く撫で、
「ほな、またなぁ」と、手を振り来た道を戻って行く安田君。

な、なんだったの？今の・・？

あまりにも急激な変化に戸惑うしかない。

そんな私達の様子を見てた、カナから言わせれば

『ラブラブじゃない』だそうだけど・・

違う、よ・・・。

違うんだ。

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