向かう先は地獄 (ページ6)

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放課後

「学校終わったら校舎裏に来てくれる？
大夢に話したいことがあるから。」
と大夢を呼び出した。

これから何を話すか、大夢は何となく察しているのかな。
それとも何も分かってない感じなのかな。

色んなことを頭の中でぐるぐると考えていると「お待たせ」と大夢がやってきた。

決心したはいいものの、自分の気持ちを伝えるとなるとやっぱり緊張するな。
告白をする前に小さく深呼吸をした。

「あのさ、大夢。
できれば驚かないで聞いて欲しいんだけど。
私、大夢のことが好きなんだ。
同じクラスになってからずっと好きだった。」
私が気持ちを告げると、大夢は顔を下に向け、俯いていた。
私にかける言葉を考えているのだろうか。
少し間があいていることから、不安な気持ちでいっぱいになった。

突然、口元を片手で隠し始めた大夢。
「どうしよう」
独り言のボリュームでこんなことを呟いていた。

口元に置いていた手をどけて、顔を上げて私の目を真っ直ぐに見つめる大夢。
返事は決まったのだろうか。
大夢の言葉を待つ私は唾を飲み込んだ。

「なんて言ったらいいか分かんないけど
Aに好きって言ってもらえて本当に嬉しい。
まさか、Aに想いを寄せられていて、告白までされるなんて思ってなかったからさ、マジで嬉しい。
俺もAが好きだよ。
Aさえ良ければ付き合おう。」

大夢の返事を聞いて心底驚いた。
まさか両思いだなんて思ってなかったから。
玉砕覚悟で告白したので、より嬉しかった。

私は大夢の「付き合おう」という言葉に大きく頷いた。

「マジか～、Aも俺のこと好きだったんだ。
もっとはやく話しかければ良かった。」
嬉しそうに笑う大夢に「私も」と返す。

嬉しさのあまり、心がふわふわしていて、これは幸せな夢なんじゃないかと一瞬思ったが、これは現実に起こっていること。
私の片思いは報われたんだ。

こんな甘い幸せがいつまでも続くと思っていた。
これから地獄に堕ちていくことになるなんて誰も予想しないと思う。