向かう先は地獄 (ページ4)

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私と京介と大夢と3人で話すことも多くなってきた。
私たちと一緒に笑う大夢を見る度に私の気持ちは確固たるものへと変わっていく。

そして、あることを決意する。

「京介。
私ね、大夢に告白する。
明日の放課後に大夢を呼び出して、気持ちを伝えてみるよ。」
私がこう言うと、京介は一瞬だけ寂しそうな顔をしていたが、すぐに明るい笑顔を作った。

「おぉー！ついに告白しますか！
まぁ、振られたら俺が慰めてやるからな。」
いつものテンションで喋り出す京介。

このテンションと言葉は想定通りだった。
しかし、手放しで喜んでくれると思ったので、寂しそうにしていたのは意外だった。
少しだけ、京介の考えていることが分からなくなった。

「何でフラれる前提で話を進めるの？
そういうのダルいから。」
私の心の内を悟られないよう、京介と同じテンションで言葉を返した。

「いやいや、逆に何で付き合える前提でいるんだよ。
最近仲良くなったとはいえ、お互いのことをすごい知ってるわけでもないじゃん。
だから望みは薄いと思うんだよな。」
京介の言っていることは事実なので、返す言葉も見つからなかった。
自分でも分かっていることだったので、少し落ち込んではいた。

「まぁ、でもさ
ずっと告白せずに後悔するよりかはさ、いくらかマシだと思うよ。
ほら、失恋は人を強くするってよく言うしさ。
当たって砕けろだよ。」
私を励まそうとする京介に「だからフラれる前提で話進めんなよ」とツッコミを入れる。

「京介！そろそろ帰るよ！」
京介を呼ぶのはうちのクラスの学級委員である尾崎匠海。
この2人は小学校時代からの幼馴染らしい。

「匠海に呼ばれたからそろそろ行くわ。
明日は頑張れよ！」
尾崎くんのところへと駆け寄る京介。

京介は楽しそうにしているけど、尾崎くんは心配そうな顔をしている。
さっきの京介といい、尾崎くんといい、他人の気持ちというのは分からないことだらけだなと思った。