向かう先は地獄 (ページ26)

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先に学校を出た大夢を追いかける。

学校から少し離れた場所でようやく追いつくも、大夢は怒りの感情をあらわにしていた。
当たり前だ。
私が京介に抱きしめられていたのだから。

大夢は深いため息を吐いてから口を開いた。

「俺、Aの気持ちが分かんないよ。
俺が好きなのか、京介が好きなのか。
俺は本気でAが好きだったよ。」

「私も大夢のことが好きだよ！」
大夢の言葉に被せるように発言した。
私は大夢が好きで、失いたくなくて、それだけで必死だった。

「じゃあ、何であんなことしたの？
京介に抱きしめられてたのに逃げなかったのは何で？
本当は受け入れてたんじゃないの？
花火大会ではぐれた時、1度も連絡が返ってこなかったけど、本当は京介と浮気してたんじゃないの？」

大夢は涙を流しながら、私に疑いの言葉を投げてきた。

私は大夢のことだけが好きで、京介に心奪われることなんて有り得ないと否定したい気持ちになった。
しかし、実際の出来事に矛盾を感じ、言葉を発することができなかった。

「なんで何も言わないの？何か言ってよ！
俺はAを疑いながら付き合いたくない。
俺たち別れよ。」

大夢はこう吐き捨ててからその場を去っていった。
どんどん小さくなっていく背中を追いかけることができなかった。

「俺たち別れよ」
この言葉が頭の中でぐるぐると回り、目の前に靄がかかったような感覚に陥った。

この一言が私には鋭く刺さり、深い傷を作っていく。

大夢のそばにいたい。
大夢と一緒に笑っていたい。
もっと大夢に触れたい。
しかし、そんなことは叶わない。

全て私のせい、私が悪い。
そんなことはよく分かっている。
それでも辛い気持ちにはなる。
痛くて、苦しくて、死んだ方がマシなんじゃないかという気持ちになる。

私はその場に座り込んで子供のように大きな声で泣いた。