向かう先は地獄 (ページ23)

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私が教室に入ると、一足先に到着していた大夢がこちらに駆け寄った。

「A！大丈夫だった？！
てか、花火大会ではぐれてから全然連絡つかなかったから心配したんだよ！」

私の勝手な行動で、大夢に心配をかけてしまった。
急に申し訳ない気持ちが湧き上がった。

「心配かけてごめんね、もう大丈夫だから」
私が頭を下げると、困惑しながらも「大丈夫だよ」と声を掛けてくれた。

京介がこちらに近づいて来た。

私は反射的に逃げた。
あの出来事を思い出すと、京介と距離をとらなくてはという気持ちになる。

あいつ、マジで何なの。
京介に対する怒りがまた膨らんでいった。

昼休み

大夢は幼馴染とお昼ご飯を食べに行った。
「そろそろ顔を出せ」と怒られたらしい。

私はというと、威尊と2人で昼休みを過ごしている。
あまりこういうことはしたくないが、京介が私に近づけない状況を作るためだ。やむを得ない。

「てか、彼氏以外の男と2人でお昼ご飯食べて大丈夫なん？」

「分かってるよ！良くないことだって！
でも、こっちにも色々事情があって、とにかく京介とは一緒にいたくないの！
こんなこと頼めるの威尊しかいないんだから！」

威尊の言葉に被せるように話し始める。

威尊は困惑したような表情を見せていた。

そして、すぐに笑顔を作って「いや～、Aに頼られるのは嬉しいな」と言った。

こんなことを頼まれても、普通は迷惑としか思わないはずなのに変わってるなと思った。
しかも、社交辞令とか私に気を使ってるとかそんな感じじゃなくて、本当にウキウキしてるから。

昼休みも終わりが近づき、教室に戻る。
ひとまず平和に終わった、かと思われた。

今日は大夢が掃除当番というのを忘れていた。
大夢と一緒に帰る約束をしているので、その間は1人で待たなければならない。
威尊にまた付き添いを頼もうかと思ったが、あの2人は相性最悪で鉢合わせさせるわけにはいかない。
そもそも部活で忙しいし。

自分がかなりピンチな状況に置かれていることに気づいて絶望した。