向かう先は地獄 (ページ19)

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「ねぇ！
今度、この辺で花火大会やるみたいなんだけど、良かったら一緒に行かない？」

大夢が花火大会のチラシを見せながら言った。
私は即答で「行く！」と答えた。

大夢とお祭りデートか、楽しみだな。
気合い入れて浴衣着ていこうかな。
浮かれ気味にこんなことを考えていた。

「ねぇ！」

私たちに声をかけてきたのは尾崎くん。
その横には京介もいた。

「俺たちもちょうどその話をしてて、良かったら一緒に回ろうよ。
大人数で行った方が絶対に楽しいし。」

匠海の言葉に驚き、小声で「匠海、良くないって」という京介。
このことから尾崎くんの独断なんだろうなと思う。

大夢は少し考えてから「うん、いいよ」と答えた。
私も京介も、言い出しっぺの尾崎くんも驚いていた。

「だって、京介にはいつもお世話になってるから。」
柔和な笑みを浮かべる大夢に「ありがとう！」と元気よくお礼を言う尾崎くん。

「おい、匠海！
ちょっと来い！」
京介は尾崎くんを連れて教室を出ていってしまった。

「え、本当に良かったの？」
驚きの感情が消えない私は、大夢にこう尋ねた。

「うん、いいの。
京介はさ、俺らが付き合うきっかけをくれた人じゃん。
だから、本当に感謝してて。
それに1度京介と遊んでみたかったんだ。
俺、幼馴染以外の友達と遊びに行ったことがないからさ
尾崎くんにああ言われた時、実はちょっと嬉しかったんだよね。
だからね、俺はすっごい楽しみにしてるよ。」

正直なことを言うと、大夢と2人きりで行きたかったが、本人がそう言ってるので同じように楽しみにしていようと思う。

それに、大夢がいることには変わりないし、隙を見て2人きりになってやろうとかそんなことを考えていた。