向かう先は地獄 (ページ2)

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昼休み
藤牧が校舎裏に呼び出してきた。

「花村にビックニュースがあります！」
ドヤ顔で話す藤牧。
何か良いことがあったのかな、と続きを聞くことにした。

「実は…
さっき大夢と友達になってきました！
そして、LINEもゲット！
いや～、我ながらいい仕事したわ～」
藤牧の言葉に驚きを隠せなかった。
展開が急すぎると思う。
私がとっくのとうに諦めていたことを、藤牧は簡単にやってのけるのだから。

「でさ、花村も知ってるかもしれないけど
大夢、このクラスというか同級生の友達がいなかったから、俺が『友達になろ』って声をかけたことが相当嬉しかったみたいだよ。
あと、これは特大情報なんだけど
大夢、今彼女いないらしい！
お前にも勝算はあるってことだよ！」
藤牧が髙塚くんのことについて次々と話すため、追いつくのに必死だった。

でも、髙塚くんに彼女がいない。
その言葉が私にとっての希望に思えた。
両思いとは限らないのに。

「ねぇ、花村
本当に協力してあげるよ。
花村と大夢が付き合えるように、俺にできることだったら何でもするよ。」
珍しく真剣な表情を見せる藤牧。
"協力してあげる" これは本気なんだろうな、とすぐに思った。
私のために言ってくれてるんだ。
「お願いします」と言うしかない。

「あ、交換条件として今から俺のことは"京介"と呼んでください！
苗字で呼ばれるの、あんまり好きじゃないから。
それじゃ、よろしくな A」
そう言ってどこかに行ってしまった京介。
「てか、私も名前呼びかよ」とツッコミを入れたのは内緒。

京介の力ありきだが、今よりももっと髙塚くんと仲良くなれるかも、と思うと嬉しくなった。

髙塚くんと付き合ったあとのことを妄想していたが、まずは会話ができなきゃ始まらないよな、と浮いた足をしっかり地につける。

京介も頑張ってくれてるのだから、私もできることは全部やるぞ、と心に決めた。