それでも俺達は幸せだった�� ページ4
服の上から、智の脇腹をコチョコチョとくすぐってみた。
智「ぎゃはははっ、やめてっ」
和「や〜だね〜♪」
智「うぎゃははっ、マジで勘弁っ…」
和「だ〜め〜♪」
くすぐりに滅法弱い智は、体をよじらせながら、もがいている。
その姿が可笑しくて、いつまででも見ていたくなる。
だけど、さすがに息苦しそうにしているのを見て、くすぐる手を止め、ジィっと智を見下ろした。
はぁはぁと荒く息を吐きながら、俺を見上げる智の目がすごく綺麗だ。
長い睫毛を揺らすそのタレ目に向かって、ニコッと微笑んで見せた。
そして、智の頬を両手でムギュッと挟んだ。
ほっぺたに挟まれた唇が、むきゅっと突き出ている。
智「んにゅ〜…やめれ〜…」
和「お前のほっぺた美味しそうだな。食っていいか？」
智「どぉわ〜め〜…」
「だめ」の「だ」の発音が、おかしな事になっている。
この、お子様みたいなぷくぷくほっぺが、俺は好き。
頬を挟む手を離し、そのお気に入りのほっぺたにチュウと吸い付いた。
美味い。
思う存分吸った後は、唇で挟んで、はむはむした。
そしてそのまま、智の首筋へと唇を移す。
こうやっていつも、流れで始めていく。
一枚の布団の上で、俺達は向き合って重なり、俺の腰の動きに合わせて一緒に揺れる。
智の両脚を腕に引っ掛けると、より深い所まで繋がる。
そうすると智が、眉間にシワを寄せて、口を開けて沢山息を吸おうとする。
それは、智が感じている時のしぐさ。
この顔が、凄く好き。
その顔をもっと見たくて激しく腰を動かせば、気持ちが良すぎて先に自分が昇天してしまいそうになる。
だから、一旦動きを止めて、肩で息をする智をクルリとうつ伏せに返して、自ら四つん這いになる智の後ろから再び貫き始める。
限界が近づく度に、そうやって体勢を変え、少しでも長く智と繋がっていられるようにする。
少しでも長く繋がっていたいのは。
智が好きだからというよりも。
終わったら、コイツがすぐ寝てしまうからだ。
だから、夢の中に引き込まれないよう、限界まで抱いているんだ。
熱い夜を過ごして、迎えた朝。
先に目を覚ました俺は、肘枕をつきながら智の寝顔を眺めるのが日課。
柔らかい茶髪に、指先で触れてみる。
気持ち良さそうな顔。
途切れることのない寝息。
お前は本当によく寝るよな。
起こさなければ、永遠に起きないんじゃないかとさえ思う。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年8月8日 16時
