太陽に口づけを〔S A〕 (ページ34)

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貴方はやっぱりリーダーページ34

仕事から帰ってくると、今日も孤独な空間が俺を出迎えた。

いつものように一人で晩酌をしながら、大野さんとの会話を思い出していた。

あの後。

照れ笑いを浮かべる大野さんに俺は言った。

櫻「…それ、本当に嬉しい？」

俺の少し冷めた返しに、大野さんが眉毛を寄せてウ～ンと考える素振りを見せた。

大「んまぁ、全く興味ない人にやられたら迷惑だけど」

櫻「迷惑って、あなた…(笑)」

大「とか、自分がカノジョのこと本気で好きだったら、マジでやめてほしいて思うけど」

櫻「それさぁ、かなりの確率で迷惑ってことじゃない！？」

大「あ、まあ、そうかもしんない(笑)」

何それー(笑)

説得力、ZE～RO～。

櫻「えっと…どういうことなのかな？」

大「あ～…よく分かんなくなっちゃった。やっぱ俺、ダメだなぁ～」

櫻「ええ！ちょっ、急に反省しないでぇ！？」

大「あんね、俺が言いたかったのはね」

櫻「ふむふむ」

大「俺にちょっとでも迷う気持ちがあったら、強引に奪いにきてくれた方が嬉しいなって」

櫻「ちょっとでも迷う気持ちって…先輩に対してってこと？」

大「うん」

櫻「大野さんの言いたいことは何となく分かったよ？でもさ、それってハッキリ言って、身勝手な行動なわけじゃない？」

大「…まあ」

櫻「そこまで出来るかっつったらさぁ…ちょっと、考えるよね。彼女の気持ちっつうか…そこまでして、カノジョとの関係を壊すのは、どうなのかなって」

大「………」

櫻「相手の為には、相手の幸せを願って身を引く方がいいんじゃねぇかな…て」

すると大野さんが、ふふっと薄笑いを浮かべた。

大「翔くんじゃ、奪うなんて出来なそうだなぁ～」

櫻「え？」

大「多分、相葉ちゃんもだな」

櫻「………」

大「本当は、それが正しいのかもしんない」

櫻「…でしょ？」

大「でもなぁ」

櫻「うん？」

大「物分かりがいいよりも、我儘になるくらい自分を想ってくれる方が、俺は好きだなぁ」

櫻「えっ」

大「俺、変なのかな？ごめん、今の参考にしないで(笑)」

そう言って、若干恥ずかしそうに俺に手を合わせた後、大野さんはサササと楽屋の方へ戻っていった。

大野さんなりの俺へのアドバイス。

俺にこうしろって言うんじゃなく、自分だったらと自分に置き換えて言うのが、大野さんらしいなと思った。

参考にしないでと彼は言ったけど。

貴方の最後の一言で、俺の心が突き動かされたよ。