ツンデレ姫 ページ16
【二宮和也】
夜、潤くんの家のソファに寝転んでくつろいでいた。
すると、潤くんがわざと、俺の寝転んでいる幅の狭いスペースに座ってきた。
こういう無いスペースに無理矢理入ってくる時は、かまって欲しい時だ。
ニ「なーに、潤くん。狭い」
松「まだ怒ってんのかよ？」
ニ「怒ってないよ。座る位置がおかしいって言ってんの」
松「いいじゃん、仲良く座ろうぜ♪」
ニ「もぉ〜ウザい！」
俺の髪をイジる潤くんの手を、パシッと跳ね除けた。
松「ちぇ〜」
潤くんが口を尖らせて、つまらなそうにソファの下へと降りた。
その、ちょっといじけた顔が好きだったりする。
松「姫が、ご機嫌斜めだぞー」
ニ「姫とか言うのやめてもらえる？」
松「かずが冷たい」
ニ「………」
あららら、完全に拗ねちゃって。
可愛い。
ちょっとは相手してあげようかと、ソファから起き上がって、しょんぼりと肩を落とす潤くんの背中を、サラサラと撫でた。
すると潤くんが、チラリと俺の方に視線を向け、少し切なげな表情を浮かべた。
松「…そういえばさ、翔さん別れたらしいよ」
ニ「えっ、カノジョと？」
松「うん」
ニ「そうなんだ…」
メンバー全員が知っている、翔ちゃんのカノジョの存在。
その二人の関係が終わっていたことに驚いた。
松「これからどうすんだろうな」
ニ「どうするって？」
松「………」
潤くんの言いたいことは分かっていた。
ニ「…まあ、後は本人次第じゃないの？」
松「本人次第つっても、翔さんが自分で行動しなきゃ何も変わらないだろ…」
ニ「そうだね」
松「………」
ニ「だから、本人次第だよ」
俺達がどうこう言う問題じゃないってこと。
ニ「ねぇ、潤くん。お腹空いちゃった」
松「…ああ。パスタでいい？」
ニ「やった、潤くんのパスタすげー美味いから好き！」
松「じゃ、待ってて？」
俺に褒められて少し気分を良くしたのか、潤くんは軽い足取りでキッチンの方へと向かった。
冷蔵庫を開ける音や、調理器具を出す音が聞こえてくる。
松「あれっ？大変だぞ、かず！」
ニ「どうしたの！？」
松「包丁がねーぞ！泥棒か！？」
ニ「………」
松「警察に電話した方がいいのか！？」
ニ「その左手に持ってるのは何なんですかねぇ」
松「………」
ニ「俺の目には包丁に見えるんだけど、違うのかなぁ」
松「おーマジか！(笑)」
天然発動。
俺は貴方のそんな所が好き。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年6月23日 21時
