酔っぱらい ページ9
結局。
たったの1時間ほどで、ウチらは店を出た。
やっぱりあんまり話が盛り上がらなかったせいか、にのがやけに酒を飲んで、現在隣でベロベロに酔っ払っている。
ニ「お〜のさぁ〜〜ん」
フラフラとしながら、やけにデカい声で俺を呼ぶにの。
大「バカ！デカい声で呼ぶなやっ」
ニ「アハハハッ♪」
大「アハハじゃねぇわ」
ニ「楽しかったね、お〜のさぁ〜ん♪」
うーむ…完全に酔っ払っとる。
普段、にのは酔うと顔が赤くなるか、気分が悪くなるかって感じだけど、こんな風に陽気になることは滅多にない。
だいじょぶか！？
にのはフラフラする足を支える為か、俺の肩に掴まってきた。
大「お前大丈夫！？」
ニ「へーきへーき！」
大「こんなんで帰れんの！？」
ニ「さぁ〜て、ど〜でしょ〜！」
大「クイズじゃねぇんだわ！」
ニ「アハハハッ、おーのさん面白いね〜！」
全然面白かねぇわ、誰か何とかしてくれ。
大「どうする？どっかで休んでから帰る？」
ニ「じゃあ〜、おーのさんち行こうかなぁ〜」
大「うぇっ！？」
ニ「はい、じゃあ行きましょ〜」
大「マジで！？」
ニ「じゃあ、俺ここで寝ちゃうよ？」
大「待て待て、それは困る！」
ニ「じゃあ行こうよ。はい、出発〜」
酔っ払ったにのに何故か誘導されて、結局タクシーでウチに向かった。
無事に家の近くに着いたものの。
タクシーに乗ったせいで更に酔いが回ったのか、さっきまでの陽気さとは一転して、気持ち悪そうにウーウー言い出した。
頼むから、吐くなら家入ってからトイレでやってくれ〜！
一人じゃ歩けないにのの腕を肩に掛け、支えながら無理矢理自分の家まで連れていった。
ようやく玄関を上がり、中へ入っていくと、にのはトイレをスルーして、リビングのソファに倒れ込んだ。
大「大丈夫か！？頼むから、ソファで吐くなよ？」
ニ「…へ〜き〜…ごめんね、おーのさぁん…」
大「…しょうがねぇ奴だなぁ」
ここまで酔っ払われると困るけど、それよりもここまで酔っ払うにのが心配だった。
ソファでグッタリとするにのを見届け、ペットボトルの水を取りに冷蔵庫へ向かった。
自分も酒を飲むから、水は常備してある。
冷蔵庫の扉を開け、冷たい水を取り出しながら考えていた。
にのがこんなに酔っ払うなんて、精神的に何かよっぽどのことがあるんじゃないかって。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年9月10日 12時
