認めたくない事実 ページ6
それなのに。
いつからだよ。
いつからお前は、結婚をしたいと思うほど、真剣に人を愛するようになったんだよ。
人を真剣に愛することは悪いことじゃない。
だけど、どこか裏切られたような気持ちになる。
お前が俺に言った言葉を、100%とまではいかないけど、信じてたんだからな。
信じて、どこか安心していた。
それを、一気にかき消された気分だ。
とは言え。
そりゃあ、何年も経って歳も取れば、気持ちも考え方も変わるよな…
結局は、仕方のないことだと自分に言い聞かせるしかなかった。
仕事の日の、車での移動中。
ちょっと調べたいものがあって、スマホで検索しようとネットを開くと、トップページの見出しが目に入った。
それは、にののことが書かれたニュースだった。
もちろん内容は、結婚のことで。
詳しくは見ていないけど、その見出しだけでどんな内容が書かれているのか想像がついた。
どいつもこいつも、好き勝手なこと書いて、好き勝手なこと言って。
本人の気持ちやファンの人達の気持ちを考えろよって思う。
こんな心ない記事で、どれだけの人が心を揺さぶられ、傷付き、辛い気持ちになるだろう。
俺だってメンバーとして、こんなニュースは見たくない。
開いて内容までは読まなくたって、にのがどんな風に言われているのか、嫌でも目に入るし、耳にも入る。
その度に辛い気持ちになる。
もう、ほっといてやれやって。
何よりも、にのの『結婚』ていう文字を見たくないんだよ。
にのの相手が、いくら世間やファンの人達からあまり受け入れられていないとは言え、なんだかんだ皆んな、にのとそういう関係にあることを認めている。
事務所だって。
もちろん、俺以外のメンバーだって。
嫌でも認めるしかないその事実が、俺の気持ちを暗くさせるんだよ。
5人での取材が終わった直後、「二宮さん、結婚間近と言われていますが、いつ頃の予定ですか？」なんて言ってくる記者がいて。
その質問に対して、にのは何も言わずにニコッと笑い、俺達と一緒に素早くはけた。
何も言わないにの。
でも…否定もしないんだ。
櫻「ニノ、ああいうの気にすんなよ？」
ニ「平気平気」
松「ほっといてほしいよな」
ニ「まあね」
相「ニノ、負けないでね！」
ニ「大丈夫、ありがと」
みんなして、にのをフォローしている。
俺だって守ってやりてぇけど。
スマン…
何も言ってやれねぇや…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年9月10日 12時
