水仙－スイセン－〔O N〕 (ページ25)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:54,704 hit

スイセンの花ページ25

俺とにのの間に、ちょっと気まずい空気が流れた。

すると、楽屋にあるテレビから聞こえてきた言葉に、ふっと反応した。

女性が誕生日プレゼントで貰ったら嬉しい物ランキングという特集をやっていた。

すると、にのもテレビ画面に視線を向けていた。

ニ「ホント、プレゼントって悩むよねぇ」

大「誕生日プレゼント？」

ニ「も、そうだし、クリスマスプレゼントとか、なんとか記念日とかさぁ。そんな色々パターンないって」

大「俺もそういうの苦手だわ～」

ニ「はぁ～あ。今年の誕生日プレゼントは何あげたらいいんだろ」

大「あー。時計とか？」

ニ「あげた」

大「んじゃあ、アクセサリーとか」

ニ「それもあげた」

大「もう無いな(笑)」

ニ「でしょ？カバンとか、知らないし」

大「自分で選べなくない？」

ニ「選べないよ。もういっそ、カード渡すから自分で選んで買ってくださいって感じだよ」

大「それいいな」

ニ「でしょ？」

なんて言いながらも溜息をつきながら考えているところを見ると、なんだかんだ真剣に悩んでいるようだ。

大「あ、アレいいじゃん」

そう言って俺は、テレビ画面を指差した。

ニ「花束ってあなた」

大「え、良くない？だってほら、ランキング5位だよ」

ニ「いいけど、花も花で難しいんだって」

大「あ～俺、絶対選べないや(笑)」

ニ「でしょ？まあ、仮にね。花束を渡すんだとしたら」

そう言ってにのは、テーブルに片肘を乗せて、頬杖をついた。

ニ「スイセンの花束でも渡してやりたいよ」

頬杖をつきながら、遠くを見るような目で言った。

大「スイセン？て、どんな花だっけ」

ニ「多分見たことあると思うよ」

大「ほーん。んで、なんでスイセンなの？」

ニ「彼女にぴったりだと思うからね」

可愛いってことか？

ニ「ていうかそれよりも、先にあなたの誕生日ですよね。何が欲しいですか？」

大「んー…何もねぇや(笑)」

ニ「じゃあ、花束にします？」

大「花はいらねぇや(笑)すぐ枯れるし」

ニ「あーあー、人にはあげろって言ったくせに」

大「それはまた別の話じゃん？」

ニ「そうだなぁ。もし、あなたに花束を贈るんだったら…黄色のスイセンかな」

大「俺もスイセンかいな(笑)つか、なんで黄色なんだよ！」

ニ「なんでだろうね」

大「あ、お前のメンバーカラーだから？」

俺の出した答えに、にのは何も言わずにニッコリと微笑んだ。