怒り爆発 ページ11
ニ「見た目もいいし、頭も悪くないし、ワガママ言わないし、俺の好きなようにさせてくれるし、家のこと全部やってくれるし、車の運転も出来るし…完璧でしょ？」
スラスラと出てきた彼女を選んだ理由。
だけど、どこかトゲを感じた。
大「完璧っちゃ完璧だけど…そういうことじゃなくない？」
ニ「なんで？そういうことでしょ」
大「いや、なんていうか…もっと…ここが好きとかさ」
ニ「だから言ってんじゃん。そこが好きなんだよ」
確かに結婚したいと思うには、うってつけの理由かもしんないけど、なんか違う。
大「う〜ん…」
ニ「納得いかないですか？」
大「なんか、ちょっと…」
悪くない理由だけど。
それってただ単に、都合が良いだけじゃないかと思った。
なんていうか…
彼女に対する愛が感じられない。
ニ「じゃあさ、大野さんにだけ特別に教えてあげるよ」
大「あん？」
ニ「彼女を選んだ最大の理由」
大「………」
ニ「女だからだよ」
大「ハァ！？」
ニ「納得した？」
大「しねぇわ！は！？何それ！」
ニ「重要なとこだよ」
大「いや、意味分からん！え、マジで言ってんの？」
ニ「マジですよ」
大「だとしたら…俺は認めない」
ニ「はい？」
大「そんな理由で結婚すんだったら…俺は認めねぇぞ！」
ニ「………」
大「んだよ、祝福した自分がバカみてぇじゃん。何それ、信じらんねぇよ」
ニ「…怒ってんの？」
大「怒るよ、んなもん！てか、ドン引きだよ！」
ニ「………」
大「あんだよ、にのの為だと思って…にのが幸せならそれが一番だって思って、頑張って祝福したのにさ」
ニ「大野さん…」
大「そんな理由で結婚されてたまるかッ！」
滅多に怒鳴らない自分が、にのに向かって全力で怒鳴った。
許せなかった。
そんな理由で、結婚を決めたことを。
そんな理由で、彼女を選んだことを。
『女だから』てなんだよ。
そんな愛のカケラもない発言にも怒りが湧いたけど。
何よりも、その理由が悔しかった。
どうせ俺は男だよッ！！
て。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年9月10日 12時
