水仙－スイセン－〔O N〕 (ページ2)

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二人だけの秘密ページ2

ある番組の、5人での取材の日。

笑いの溢れる和やかな雰囲気で収録が行われ、最後まで楽しい雰囲気のまま無事に収録が終わった。

スタッフの「ハイ、O Kです！」という掛け声と共に、俺ら5人は「ありがとうございました」と挨拶をしながらスタジオを出た。

歩きながら翔ちゃんと相葉ちゃんと松潤が、さっきまでの収録中の話の続きをしている中、にのは時折溜息をつきながら静かに俺の隣を歩いている。

さっきまで一番敏感にツッコミを入れたり、素早い切り返しで笑いをとっていた人が、今は一番大人しくなっている。

よくよく考えたら、連ドラがやっと終わったところに、今度は映画の公開やら新曲の発表やらで、5人の中で一番多忙だと思う。

最近のにのは、よく目を充血させている。

そりゃ疲れるなぁ…

俺じゃムリだ。

「休みてぇ！」て不満連発するわ。

だけどにのは、そういうことは口にしない。

冗談ではよく言うけど、本気で思ってる時ほど言わない奴なんだ。

だから時々心配になる。

いまだにさっきの話で盛り上がっている3人の後ろで、ウチらは少し遅れて並んで歩いている。

あまりにも何も喋らないから、自分から話しかけてみることにした。

大「大丈夫？(笑)」

ニ「ん…大丈夫」

大「ちゃんと寝てる？」

ニ「それなりに寝てますよ」

大「めっちゃ疲れてんじゃん」

ニ「平気平気。そのうち落ち着くんだから」

大「………」

素直に「疲れた」て言やぁいいのに。

ニ「…あのさぁ、大野さん」

大「あん？」

ニ「今日さ…行ってもいいかな」

にのが少し声のボリュームを落として聞いてきた。

大「んあ～…いいけど、そっちこそ大丈夫なの？」

ニ「何が？」

大「なんか…色々と」

ニ「ダメだったら自分で言わないでしょ」

大「確かに(笑)」

ニ「じゃあ…夜行くから」

そう言って、にのはスタスタと歩く速度を上げて先に前を歩いていった。

にのの言う、行ってもいいかというのは、ウチに来てもいいかってこと。

実は、テレビでは散々自分の家にメンバーを上げたことがないだの、松潤しか入ったことがないだの言ってきたけど。

メンバーにも誰にも内緒で、にのだけは時々家に上げている。

別に隠したいわけじゃないけど、何故かテレビでにのが「行ったことがない」と言い張るから、そういうことにしている。

だからこれは、俺とにのだけの秘密。