いつか必ず巡り逢う〔10〕 ページ10
アイバさん…
相葉さん…
まーくん…
僕は貴方を愛しています。
どうか
行かないでください…
相葉さんの使用人として働いていた僕は、彼の恋人だった。
僕の名前は二宮和也。
愛する彼の名は相葉雅紀。
彼は普段は僕を『ニノ』と呼んでいて、ベッドの上では『かず』と呼んでいた。
他の人には一切バレないように、相葉さんとの関係を隠しながら、僕らは想い合っていた。
何度、彼のベッドの上で愛し合っただろうか。
いつかは別れなきゃいけない関係でも、この時間が本当に幸せだった。
だけど…
その幸せな日々も、ついに最後の日が訪れた。
相葉さんの、松本財閥のお嬢さんとの政略結婚が決まったんだ。
それと同時に彼は外国へ行くことになった。
相葉さんは使用人として僕も一緒に連れていきたいと言ってくれたらしいけど。
相手方の権限の方が遥かに大きくて、当然許可が下りるわけもなく。
何の能力も持たない僕は、あっさりと解雇されてしまったのだ。
相葉さんは最後に一緒に過ごしたいと、外国へ行ってしまう前夜に僕を部屋へ呼んだ。
彼から別れの言葉を告げられ、涙する僕はベッドに座ったまま力強く抱き締められた。
「…泣くな…かず…」
「…行かないでっ…相葉さんっっ…」
「…ごめんな。おまえとは今日で最後だ」
「…嫌だよっっ…行かないでっっ…」
「…かず…愛してる…。かずっっ…！」
そのままベッドに倒れ込み、最後に思いのままに愛し合った。
いつもよりも激しく、全ての想いを込めて…。
互いに涙を流しながら、名前を呼び合い、愛の言葉を囁き合った。
何度も受け挿れてきた熱い彼を、自分の中へと迎え入れた。
ピッタリと肌を重ね合わせ、一つになった感覚を噛みしめた。
「…ねぇ…」
「…うん…？」
「…僕達…また会えるかな…？」
「…会えるよ…俺達はいつかまた…巡り逢う…」
「…絶対っ…？」
「…あぁ。絶対だ…！」
しがみつくように彼の背中を抱きしめ、交わった下半身を激しくこすり合って最後の愛情をカラダに刻み込んだ。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2023年1月25日 20時
