ARS's ｼｮｰﾄｽﾄｰﾘｰｽﾞ2017 (ページ4)

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いつか必ず巡り逢う〔4〕ページ4

チャーハンも餃子も食べ終わって、水を飲みながらちょっとだけスマホのアプリゲームをしていたら。

もうほとんど客のいないホールに店長が自らお水を入れに来てくれた。

マ「あっ、それ俺もやってる！♪」

カ「あ、ホント？どんくらいまでいった？」

マ「今レベル20くらいまでいったかなっ？」

カ「やった勝ったー！おれ28までいったもんねー」

マ「うっそ、マジ！？すっげー！」

カ「すごいでしょ？」

マ「ちょっと見せてっ！」

そう言ってマサさんがおれのスマホを覗き込んできた。

おれの顔のすぐ横にマサさんの顔があって、ちょっとドキッとした。

思わずマサさんの横顔を凝視する。

瞬きする度にパサッと揺れるまつ毛が長い。

こんな近距離で顔を見たのは初めてだけど、その横顔は思っていた以上に綺麗で『美人』という言葉が似合うと思った。

男の人を『綺麗』だとか『美人』だと思ったのは初めてだ。

マサさんはスマホの画面に夢中で、自然とおれの肩に腕を乗せている。

本来ならば、野郎に肩に腕を乗せられたら不快極まりないのだが。

何故かマサさんの場合は嬉しかった。

『乗せられている』という感覚よりも。

『触れられている』という感覚だった。

ドキドキするよ…

…ちょっと待って。

おれ、ヤバくない！？

おれ、そんな趣味ないはずなんだけどなぁ。

料理に何か混ぜられた？

惚れ薬でも入れられましたかね？

なんて、ドキドキする気持ちを振り払う為にひとりで誤魔化してみる。

マ「ねぇねぇ、カズくん！」

カ「！！…あ、はいっ！！」

マ「どうしたの？(笑)」

カ「あー…いや…別に…」

マ「俺んち来ない？」

カ「えっ‼︎」

マ「カズくん、ゲーム好きでしょ？一度対戦してみたいやつがあるんだよね〜！」

カ「あー…ゲームね…」

マ「ダメ？」

カ「別にダメじゃないけど…」

マ「よっしゃあ！じゃあ、今日来て！」

突然のマサさんからの誘いにかなり動揺しつつも、内心はすごく嬉しかった。