そばにいたい〔13〕 ページ26
それから俺は翔ちゃんと過ごした。
あえてメンバーには打ち明けていないけど、ニノも松潤も気付いてはいると思う。
だけど何も言ってこない。
松潤はすごく聞きたそうな顔をしているけど、ニノは無関心そうにゲームに没頭している。
でも別に俺に対して冷たいわけでもない。
ニノはおーちゃんとも普通に接している。
それを見て、少しホッとした。
楽屋で翔ちゃんと隣同士で話していたら、離れた所に座っているおーちゃんと目が合った。
優しい眼差しで俺らを見ている。
でも、すぐに逸らされて釣りの雑誌に目を向けていた。
翔ちゃんと付き合い始めてから、1ヶ月が経った。
本当に本当に夢のようで幸せだよ…。
ずっとずっと好きだった翔ちゃんのそばにいられて。
翔ちゃんの笑顔を近くで見れて。
恋人として優しく抱きしめられて。
そのふっくらした唇でキスされて。
毎日毎日ドキドキして、本当に本当に幸せだと思った。
そして。
ついに。
ずっとキスだけだった翔ちゃんが、俺を押し倒した。
ごく自然な流れのように、翔ちゃんは何度もチュッと音を立ててキスをしながら俺のカラダに手を這わせた。
おーちゃんとえっちしてた時は俺が攻めだったから、自分が受け身なんだと分かって、ほんの少し身構えた。
だけど、俺に触れる翔ちゃんが優しくて、そんな緊張や恐怖心はすぐに取り除かれた。
慣れたようにリードしてくれて、今まで手を出してこなかったのが不思議なくらい。
ついに繋がるって時も、体が強張る俺に優しく声をかけてくれたり少しでも痛みがやわらぐように愛撫してくれたり。
ああ、こんな風に、ニノも抱かれてたのかな、て思ったりして…。
翔ちゃんとやっと一つになって、ベッドが軋む音を聞きながら俺は頭の中で思っていた。
今頃、何してるかな…
おーちゃん…
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2023年1月25日 20時
