ARS's ｼｮｰﾄｽﾄｰﾘｰｽﾞ2017 (ページ19)

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そばにいたい〔6〕ページ19

一度踏み込んだ恋人同士の行為は、いとも簡単に進んでいった。

おーちゃんとカラダの関係を持つまで、そう日はかからなかった。

今まで一切そういうことをしなかった分、熱い夜を過ごすことも少なくなかった。

体格的にも性格的にも自然と俺が攻めで、おーちゃんが受け身。

相性も悪くなかった。

だけど…愛し合っている最中、頭の中で描いている相手はお互いじゃなかった。

俺は翔ちゃん、おーちゃんはニノを描いていた。

俺らが一線を越えることになったのも

『翔ちゃんとニノもシてるよ。絶対。だから…』

そんな理由だった。

それでもベッドの上で重なっている最中は、お互いの寂しさを埋めることが出来ていた。

俺達の間に『愛』なんて存在しないけど、それでも良かった。

お互いの寂しさを埋める為の割り切った関係。

だけど居心地が良くて、気付けばほとんど同棲に近い形になっていた。

このままずっと、一緒にいたっていいくらいだ。

でも、俺達の間には一つだけ約束がある。

それは。

翔ちゃんとニノが別れたら、それぞれちゃんと想いを伝えるってこと。

その後は、俺達の関係も終わりにする。

それが、おーちゃんと決めた俺達の約束だった。