ARS's ｼｮｰﾄｽﾄｰﾘｰｽﾞ2017 (ページ17)

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そばにいたい〔4〕ページ17

とは言っても・・・

俺とおーちゃんは一応、恋人同士にはなったけど、いわゆる恋人同士の行為は全くない。

今までよりもご飯に行ったり家で飲んだりする頻度が高くなっただけで、以前とほとんど関係は変わっていない。

家で二人きりになっても、お酒が入っても、何故かそんな雰囲気にはならなかった。

お互いに恋愛感情がないとは言え、30前後の男がそんなことをしないってかなり珍しいよね！

多分、世間のどのカップルよりも健全な付き合いだよっ(笑)

でも、おーちゃんとはそんな行為なんて必要なかった。

カラダの関係なんかなくたって、一緒に居るだけで俺の心は満たされていた。

おーちゃんがそばにいてくれて、隣で笑ってくれるだけで俺の心は癒されていたんだ。

…だけど。

チュウぐらいしてもいいよね？(笑)

なんて思いながらも、何もない関係のまま付き合って2ヶ月が過ぎた頃だった。

翔ちゃんと喧嘩をしてしまった。

ニノとの関係が上手くいってなかったのか、その日は朝から分かりやすいくらい不機嫌だった。

そんなところに俺のちょっとした言動が気に障ったのか、翔ちゃんの怒りの矛先が俺に向いた。

あまりの理不尽さに、普段滅多に怒らない俺も翔ちゃんに言い返した。

そしたら、翔ちゃんの怒りが更にヒートアップして。

「お前とは絶交だ」とまで言われてしまった…。

当然、ヘコんだなんてもんじゃなくて、深い地底まで突き落とされたような気分だった。

あまりのショックに耐えられなくて、俺はその日、おーちゃんちで号泣していた。

相「…ううぅっ…」

大「相葉ちゃぁん…もう泣くなってぇ…」

相「…しょおちゃんにっ…嫌われたっっ…」

大「んなことないってぇ。翔ちゃん今日機嫌悪かったじゃん。次会ったらまたいつも通りに戻ってるよ」

相「戻んないっ…嫌われたっっ…！！」

大「あーばちゃん(笑)翔ちゃん、そんな人じゃないでしょ？」

相「………」

大「大丈夫だよ。翔ちゃんは相葉ちゃんを嫌いになんてならないから。絶対」

相「…っっ…」

おーちゃんの優しい言葉が、すごく嬉しかった。