突然�� ページ7
松「翔くん・・相葉くんっ・・・」
松潤が呟くような声で呼び掛けても、二人とも返事はない。
ただただ目の前の光景が信じられなくて呆然としていると、今度はニノに銃口が向けられた。
途端、ニノがビクビクと体を震わせながら後ずさった。
ニノっ…！！
松「やめろォッッ‼‼」
叫びながら松潤が向かっていったのは。
ニノの方だった。
松潤がニノをかばうようにして、前からニノを覆うように抱きしめた。
バァンッッ
松「あぁッ…っ！！」
ニノを抱きしめる松潤の背中が反り返り、ブワッと血しぶきが飛んだ。
ニノを抱いていた腕がズルズルとニノの体を伝って落ちていき、やがてズルンと床に倒れ込んだ。
ニ「…Jっ……っっ」
自分をかばった松潤の背中をユサユサと揺らすニノ。
だけど…ピクリとも動かない。
松潤のそばに膝をついて下を向くニノを見つめていた時、カチャッと音が鳴った。
正面へ視線を戻すと、銃口が俺に向けられていた。
あ・・ヤられる・・・
動けないというよりも動く気もなくてジッと男のサングラスを見つめていると、俺に銃を向けながらそいつが近づいてきた。
床に座り込んでいるニノの姿は眼中にないかのように俺だけを見て近づいてくる。
それでもジッと奴のサングラスを見つめ続けていた。
その時。
突然、奴が足を引っ掛けたかのようにバタンと前向きに倒れ込んだ。
ニノが後ろから奴の足を掴んでいた。
ニ「早く逃げてリーダーっ！！」
ニノが俺に向かって叫んだ。
だけど…体が全く動かない。
ニ「何やってんだよぉっ！！早くっっ！！」
ダメだ、全然動かねぇ。
突っ立ってニノを見つめていると、やがてニノが立ち上がって俺の方に向かって走ってきた。
走りながら俺の方へ手を伸ばすニノ。
俺も自然と手を伸ばした。
その瞬間が、まるでスローモーションのようだった。
バァンッッ
銃声が鳴り響いた瞬間、ニノの動きが止まった。
時間差で、ニノの背中と胸からブワッと血しぶきが飛んだ。
ニノの方へ伸ばした自分の手がピクッと動いた。
ニ「…お…おの…さん…っ」
俺に向かって手を伸ばすニノが、俺の目を見つめたまま、ゆっくりと膝から崩れていった。
そして。
バタンとうつ伏せに倒れた。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2021年1月4日 2時
