THIS IS 智会 �� ページ39
松兄の運転する車に乗って約15分が経過した。
永遠に話しかけてくる松兄に、窓の外をずっと眺めながら素っ気なく返す自分。
松岡「あそこの蕎麦屋知ってるか？」
大「知らない」
松岡「あっそこの蕎麦は美味いぞ〜、十割蕎麦で舌触りと蕎麦粉の香りがたまんねぇーんだこれがまた」
大「ふぅん」
松岡「お前なぁ。まーだ膨れっ面してんのかよ」
大「元からこういう顔だもん」
松岡「せっかくその顔でジャニーズに入ったっつーのに台無しだな！」
大「うるさいな、松兄が悪いんじゃん、内緒で他の人呼ぶからさ」
松岡「お前それは先輩からのサプライズだろうよ！」
大「全然嬉しくないし」
松岡「なんだよ、そんなに俺と二人っきりで行きたかったのかよぉ〜(笑)」
大「違う、急に人が増えるのとかヤなんだって！」
松岡「ハッキリと否定すんなよ！(笑)安心しろって、お前のよく知ってる奴らだし、お前のことが大好きな奴らだからよ？」
大「ええ？誰？」
松岡「そりゃサプライズなんだから会ってからのお楽しみだよ！」
めんどくさいなぁ〜…
松兄てサプライズとか好きだよね〜…
道路を走っていたこの車がスゥーと止まって、前に視線を向けたら赤信号だった。
横断歩道を一人の若い女の子が渡り始める。
先頭で信号待ちをしているせいか、フロントガラス越しにその女の子をジッと眺めていたら、その人がチラッとこっちを見た後、もう一度こっちを見た。
松岡「あの子、今こっち二度見したなぁ」
大「ちょっとしたよね(笑)」
松岡「キャッ、カッコイイ人が運転してるぅ〜♡ってか」
大「うるさいんだよなぁ(笑)」
松岡「いいだろうよお前！そんぐらい言わせてくれたって。誰も言ってくんねぇんだから！」
大「てゃはははっ」
結局笑っちゃうんだよなぁ(笑)
松兄て、そういうの上手いよね。
さらっと人の心をなだめるってかさ。
それに、誰が見ても男前なくせにそういう自虐的なことも言っちゃうのがカワイイよね。
そういうとこ俺は好きだなぁ。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2021年1月4日 2時
