ついにアレが来てしまった�� ページ4
恐ろしくなって、股間に付かない程度に下着をズボンと一緒に引き上げ、立ち上がって個室のドアをほんの少しだけ開けて隙間から外を覗いた。
既に用を足し終えた潤くんが、腕を組みながらスマホをいじっている。
幸い、トイレには潤くんしかない。
ニ「…ど、ど、どうしよう…潤くぅん…」
顔が見えるくらいの隙間から、動揺MAXの声で潤くんに声をかけた。
俺の声に反応した彼が、スマホを持ったままチラリと俺を見た。
そして、個室の方へと近づいてきた。
松「どーした？」
ニ「…ど、どうしよう潤くん…ヤバいよっ…」
もう…声が震えて仕方がない。
松「ヤバい…？そんなに具合悪いのか⁉」
ニ「…違うの、ヤバいよ…俺、きちゃったのかも…」
松「きちゃった⁉ 何が⁉」
ニ「…◯△＊☆がっ…」
ゴニョゴニョと宇宙人語みたいに話す俺の顔のそばに「ん？」と潤くんが顔を近づけた。
ニ「…だ、だから…多分っ……せ、生理がっ…」
松「………え？」
今度は聞き取れたであろう彼が、ほんの少し間を空けて反応した。
俺達は隙間越しに目を合わせたまま。
しばしの沈黙。
松「えええぇーーッッ‼‼」
やっと脳に伝達されたのか、飛び出そうなほどに目を見開いて叫んだ。
松「マジかよッ‼‼」
ニ「…分かんないけど…多分そうだよ。血が出てるもぉん…(泣)」
松「生理って、あり得ねぇつーの！！」
ニ「だってだって俺いま女の子なんだもっ…モゴモゴ」
ドアの隙間から潤くんの手が伸びてきて口を塞がれた。
隙間越しに潤くんが人差し指を口に当てて「シーっ」と訴える。
いけない、ついつい大声で只今の己の正体をバラしてしまった。
運良く今も俺達以外トイレに人はいないと、彼の仕草で分かってホッとした。
松「どーすんだよ…」
さっきよりも声のボリュームを落として顔を近づける彼に合わせて、俺もドアの隙間ギリギリまで顔を近づけた。
ニ「…どうしよう、潤くん…コレどうしたらいいのかな…(泣)」
松「…あいにく俺はナプキンなんぞ持ってねぇぞ…」
…持ってたらヤだよ。
松「とりあえず…櫻井先生に相談した方がいいよな」
ニ「ええッ！生理になっちゃいましたって！？」
松「だってしょうがねーだろ！」
ニ「イヤぁぁ！恥ずかし過ぎるぅぅ！」
思春期の乙女の口からは言えないよぉーー！(泣)
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2020年5月3日 21時
