もしやもしや…�� ページ3
白いただのメモ用紙のようなものに書かれたその恋文を、潤くんは俺に確認することもなく勝手にビリビリと破いた。
その様子から、どことなく不機嫌そうなオーラを感じる。
松「こんなもん相手にすんなよ？」
ニ「うん…」
一緒に階段を上がりながら、二段ほど前を進む彼の後ろ姿を、なんとも言えない気持ちで見つめた。
午前の授業が終了し、いつものように潤くんと一緒に屋上でお昼休みを過ごした。
朝からなんとなく調子が良くなくて、今日はメロンパン1個とカフェオレを飲んだだけでお腹がいっぱいになった。
なんだか、お腹がいつもよりも張っているような感覚で。
また薄っすらと痛くなってきたお腹をさすりながら教室までの廊下を歩いていると、潤くんがチラリと俺の方を見た。
松「どーした？」
ニ「う〜ん…ちょっとお腹の調子が」
松「トイレ寄る？」
ニ「寄ろうかな…」
一緒にトイレの中へ入っていき、小便器の前に立つ潤くんの後ろを通り過ぎて個室に入った。
ズボンと下着を下げ、便座に腰を下ろして深く息を吐いた。
お腹が痛い割に下すわけでもなく。
この腹痛は何なんだろうと思いながらふと視線を下ろした。
その時。
目に映った光景にギョッとした。
下着が赤く染まっている。
これは・・・
血だ。
ビックリして慌ててカラカラとトイレットペーパーを巻いて、恐る恐る股間を拭いてみた。
トイレットペーパーに血が付いている。
間違いなくその血は、股間から出ている。
なんでなんでっ…！？
若干パニックで、確認の為にもう一度ペーパーで拭いてみるも…
やっぱり白い紙に血が付く。
何が何だか分からなくて股間を覗きたいくらい。
最初、痔かな？とも思ったけど、明らかに場所が違う。
この血は一体何だろうかと、便座に座ったまま、考える人のポーズで冷静に考えてみた。
下痢ではないのにお腹が痛い。
股から血が出ている。
その血がパンツに付いている。
このシチュエーション、いつか潤くん家で読んだ少女漫画で見たことがある。
確か主人公の女子高生が、朝起きたらお腹が痛くてトイレに入ったらパンツに血が付いていて「最悪ぅ！きちゃった！」とか言っていたなぁ。
生理が。
・・・。
ま、ま、まさか・・・
サーッと血の気が引いた。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2020年5月3日 21時
