Boys & Girl 続〔M N〕 (ページ11)

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揺れる乙女心③ ページ11

潤くんが保健室を出て行った後、再び櫻井先生も用事で出て行って、俺はひとりぼっちになった。

こんな体調のせいか、妙に心細くなって頭まで布団をかぶった。

早く戻ってきて…

布団の中で切に願いながらギュッと目を瞑っているうちに、また意識がウトウトとし始めた。

「……ちゃん」

なんだか薄っすらと声が聞こえる。

「………のちゃん！」

再び布団の外から声が聞こえてきて、ふっと意識が覚めた。

櫻井先生が戻ってきてくれたのかと思って、バッと勢いよく布団を剥いだ。

あ「にーのーちゃんっ♪」

目の前には、腹が立つほど緑の服と。

オレンジ系の茶髪の男のキラキラな笑顔があった。

ニ「うわっ‼」

あ「にのちゃん、生理になっちゃったんだって～？」

突然の奴の登場にびっくりし過ぎて、女子みたいに布団で口元を隠した。

あ「よ～しよ～し、かわいそうに～」

雑に頭をなでなでしてくる。

ニ「…言っとくけどこんな目に遭ってんのは、ぜーんぶお前のせいだからな…」

あ「てへっ、ごめんちゃい♪」

ぺろっと出た舌を見て血管が切れそうになった。

ぶっ殺してやりたい。

いや、コイツの顔に生理の血をぶっかけてやりたい。

ニ「…そんで何しに来たんだよ」

生理のせいか、弱々しい声でいつもの迫力が出ない。

ニ「…いよいよ男に戻してくれるのか？」

あ「んーん、お見舞いに来ただけっ♪」

ニ「…は？」

あ「じゃあね、にのちゃんお大事にっ♪バイビ～」

ムカつくほどキラキラな笑顔でひらひらと手を振りながらスッと消えていった。

腹立つぅぅぅ…

こんな無駄な時間と体力を使わせるなら、初めから来るんじゃねぇぇよッ…

イライラと具合悪さが相まって、パタッと気を失うように再び眠った。

数分後。

今度こそ俺の愛しの王子様の声で目覚めた。

先生は片手に茶色の紙袋を持っていて。

中にはナプキンと生理用の下着が入っていた。

いかにも、女子です！みたいなピンクのパンツを見て赤面する俺に、先生は「こんなのしか無くてゴメン」と申し訳なさそうな顔で言う。

だけど、コレを男がコンビニで買う恥ずかしさを考えたら、逆に申し訳ない気持ちになった。

その後、安全運転で家まで送ってもらって。

運転中、何度も「具合大丈夫？」と声をかけてくれる先生の隣で、クールに運転するカッコイイ横顔を盗み見しながら。

「好きです」と頭の中で伝えた。