我が子の成長�� ページ42
その後も子供達はグングンと成長していき。
気付けばもう3歳になった。
倖「これ、コウのおかしっ！」
結「ユイのぉ！」
只今、ウチの双子達はお菓子を巡ってケンカ中。
3歳になってある程度色んなことが分かってきて、言葉も喋れるようになってくると当たり前の光景なんだろうけど。
双子で男女となると、これがもうケンカが絶えない。
翔「ほら、ケンカしないの」
倖「ユイがコウのお菓子取るんだもん！」
潤「結はもう自分の食べたでしょ？これはお兄ちゃんの」
結「ヤー！」
結がむくれてツーンとそっぽを向いている。
何かこの顔、誰かに似てるんだよね。
倖じゃなくね。
て、誰かって一人しかいないんだけどね。
潤「わがまま言わない！」
ちょっと強めに言う潤の言葉にも動じることなく、結はツーン。
うん。さすが親子。
このくらいの歳になると、双子でもだいぶ違いが出てくる。
結は言葉は倖と比べてまだ幼いけど、自己主張はハッキリしていて気も強い。
倖はやたらと口達者だけど、割と小心者というかビビり。
誰に似たのか。
翔「しょうがない。倖、結にちょっと分けてあげな？」
倖「なんでぇ！？」
翔「……お兄ちゃんだろ。妹の結に、ちょっと分けてあげなさい」
倖「えーーー(泣)」
嫌そうな顔をしながらも、なんだかんだ結にお菓子を分けてあげる優しい倖の頭を、よしよしと撫でた。
3人兄妹の長男として育ってきた俺も、小さい時に散々言われてきた言葉。
あの頃は「なんで？」て思ってたけど、今になって親の気持ちが分かる。
非常に使い勝手のいい言葉だよね、うん。
ある時は4人で一緒にスーパーへお買い物へ行った。
今日は俺が結を、潤が倖を連れて店内を回っていた。
お菓子コーナーでそれぞれお菓子を選ぶ二人。
お菓子は一人一個、今日はお菓子を買うからオモチャは無しというルール。(潤ルール)
すぐに決まった倖とは裏腹に、結はジーっとお菓子とにらめっこ中。
その結のとなりにしゃがんで一緒に選んでいると、結が何かを指差した。
結「パパ、アレかうー」
結が指差していたのは、キラキラとしたオモチャの宝石のセットだった。
翔「結。今日はお菓子ってママが言ってたよね？」
結「パパぁアレほしいぃ」
甘えた声で言われた。
翔「…欲しいの？」
結「ほしぃの」
うるうるのおめめで見つめられた。
翔「じゃあ…ママに内緒で…」
潤「ダメだよ」
…ですよね。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2019年2月5日 16時
