大変だけどやっぱり可愛い�� ページ35
深夜。
薄いピンク色の柔らかい布地の、前開きのスナップをパチンパチンと丁寧に留めていき、使用済みのオムツはクルクルと巻いて、テープでペタッと留めた。
翔「ふぅ…」
触れていない手の甲の部分で自分の額を拭うと、とっくにオムツ交換が終わって倖(コウ)を抱っこしている潤がフフッと笑った。
潤「ありがとね、翔くん。お疲れ様」
労いの言葉を掛けてくれる潤に向かってフッと笑ってみせ、オムツを専用のゴミ箱に捨てに行くついでに手を洗って、すぐに戻ってきた。
ようやくオムツ交換が終わった俺も、結(ユイ)を抱っこした。
翔「いやぁ…オムツ交換、まだ潤みたいに素早く出来ないわぁ」
潤「フフッ、慣れだよ」
翔「そうなんだろうけど、まず、どうやって拭いていいか悩むよね」
潤「いやいや、普通に拭いてくださいよ(笑)」
翔「だってさぁ、倖は同じ男だからいいけど、結は女の子だし、ちょっとね」
潤「いやいや、自分の娘なんだから、そこ遠慮しないで普通にやってくださいよ(笑)」
潤がケラケラと笑う。
普段、俺が仕事の時は全部潤に任せっきりだから、夜とか休みの日などの家にいる時は、自分も育児を手伝うようにしている。
俺も、目指せイクメンパパだからね。
潤が慣れたように片手で倖を抱っこしながらキッチンのカウンターの方へ行き、ミルクの入った哺乳瓶を二つ持って戻ってきた。
潤から哺乳瓶を一つ受け取って、お互いに子供を抱えたまま隣同士でソファに座った。
そして、同時にミルクを飲ませ始める。
俺の腕に抱えられている結が、小さい口で哺乳瓶のちくびをしっかりと咥えている。
おっ、飲んでる飲んでるぅ。
かーわいーー
翔「小さいのにちゃんと飲んでるよぉ〜」
潤「赤ちゃんて凄いよね」
お互いにミルクを飲ませながら顔を見合わせて、フフッと笑った。
二人で一緒にミルクを飲ませているこのワンシーンが、最高に幸せを感じる瞬間だ。
ほぼ同時にミルクを飲み終わり、その後、眠ったのもほぼ同じタイミングだった。
さすが双子。
スヤスヤと眠る子供を抱きながら、俺と潤は無言で目を合わせた。
やがて静かに顔を近づけ合い、キスをした。
唇を離した瞬間、チュパッとリップ音が響いて、結の目がパチッと開いた。
やべ！
やがて、大声で泣き始め、その泣き声に起こされた倖も一緒に大泣き。
翔潤「あぁーー…」
キスもサイレントでしないとダメだわ。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2019年2月5日 16時
