夫婦のカタチ�� ページ4
再び相葉と一緒にキッチンに立ち、俺は冷蔵庫から昨日買っておいたローストビーフやサーモンのマリネなどのオードブルを取り出した。
相葉は隣で食器棚の扉をパタパタと順番に開けている。
相「先輩先輩！4人前の焼きそばが入るお皿って、どこにありますっ？」
翔「はいはい、ちょっと待ってね」
オードブル達は一旦置いて、大きな食器棚の扉を適当に開けた。
翔「えーと、これは？」
そう言って取り出したのは、ガラス製の大きくて深い器。
ボウルみたいなやつ。
相「ねぇ、先輩っ！焼きそばにこの器って、俺、絶対違うと思う！(笑)」
俺が両手で抱えている器を見て、相葉が笑う。
翔「えー！じゃあ、どういうやつ！？」
相「普通の大皿ですってぇ！(笑)」
相葉に深い器は却下され、食器棚の扉を片っ端から開いて大皿を探した。
翔「えー大皿どこぉ！？」
いくら探しても見つからない。
アイツどこ行ったんだよ！
翔「じゅーん、ヘルプ！大皿って、どこだっけぇー？」
このまま自分で探すのは時間の無駄だと思って、仕方なくキッチンから潤に助けを求めた。
潤「…んーと…一番下の引き出しだよ…」
リビングの方から弱々しい声が返ってきた。
キッチンから覗いてみると、潤は再びソファに横になっている。
一番下の引き出しを開けてみると、大皿が取り出しやすいように入っていた。
翔「あったあった。お騒がせしましたー」
潤にひと言言って、その大皿を取り出し、相葉に渡した。
俺は再びオードブル係に戻る。
食器棚から適当なお皿を出し、オードブルのプラスチックの透明なフタを外して菜箸でお皿に盛り付けし始めた。
潤「翔くーん。容器ちゃんと分別して捨ててね」
今度はリビングの方から、潤が声をかけてきた。
翔「はーい」
潤「あと容器は、一回水ですすいでから捨ててね」
翔「はーい」
潤「重ねられるやつは、重ねて捨ててね」
翔「はーい」
盛り付けをしながら返事をしていると、焼きそばを大皿に移している相葉がプププと笑う。
翔「何笑ってんのかなー」
相「先輩達の関係性がよく分かる！(笑)」
相葉がニヤニヤしながらフライパンを洗っている。
チェックが厳しい嫁だってバレたかしら。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2019年2月5日 16時
