発覚�� ページ12
身支度を整えて、会社用の鞄を持って、再び潤のいるリビングへと戻ってきた。
翔「じゃあ…行ってくるね？」
潤「うん、行ってらっしゃい」
俺を見送ろうと潤がソファから立ち上がった。
と、その時。
潤の体がグラッと揺れた。
そのまま潤は、その場に膝をついた。
翔「潤っ！」
慌てて近寄り、膝をつく潤の体を支えた。
目を瞑ってグッタリと俺の肩に体重を預ける潤を支えながら、片手でスーツのポケットからスマホを取り出した。
潤の肩をしっかりと抱きながら、タクシーの後部座席に座って病院へと向かっている。
意識はちゃんとあることから、救急車ではなく、タクシーで病院へ向かうことにした。
タクシーの中で会社に電話で事情を説明すると、電話の向こうから部長にクドクドと文句と嫌味を言われた。
焦りや心配も相まって余計にイライラしたけども、とにかく今はそれどころじゃなくて。
「はい、すみません、申し訳ありません」と部長の話を流すように謝って、とっとと電話を切った。
病院に着き、潤の診察をしている間、ソワソワと落ち着かなくて、待合室の廊下を何度もウロウロしていた。
すると、ガラガラッとスライド式の診察室の扉が開き、中から看護師さんが顔を出した。
看「櫻井さんの旦那様ですか？」
翔「はい、そうです」
看「奥様の診察が終わりましたので、どうぞ中へお入りください。先生の方からお話があります」
バクバクとする心臓を押さえながら診察室の中へ入っていくと、潤の姿はなく、メガネをかけた男の先生が、デスクの上のパソコンの画面をマウスでいじっていた。
翔「失礼します」
先「あ、どうぞ、お座りください」
先生の前にある椅子にガタンと腰掛けた。
翔「先生、妻の容体はどうなんでしょうか。妻は大丈夫なんでしょうか。お腹の子供は大丈夫なんでしょうか」
我慢出来なくて、先生が話し出す前に質問攻めした。
先「落ち着いてください、ご主人。奥様もお腹の子供も大丈夫です」
先生の言葉に安心して、ふぅ…と深く息を吐いた。
先「つわりの影響で貧血を起こしたみたいですねぇ。今、点滴を打ってます」
翔「先生、妻のつわりが酷くて…何とかならないですか？」
先「これはしょうがないねぇ…。双子だと、つわりが酷くなるケースが多いんでね」
え！
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2019年2月5日 16時
