その日が来るまで ページ43
大野の姿が見えなくなると、後ろからポンッと肩に手が置かれた。
相「ニノ…頑張ったね」
ニ「…なんだか、よく分かんないことになっちゃったけどね。ていうか、頑張れてないけどね…」
相「いーのっ！ちゃんと気持ちは伝わったんだからさ？」
ニ「伝わったっていうか…気付かれてただけだし…」
相「ニーノっ！(笑)もういいじゃん、上手くいったんだから！」
ニ「なぁ、相葉…」
相「んっ？」
ニ「これって、上手くいったんだよね…？」
ゆっくりと振り返って相葉の顔を見ると、相葉がニコッと笑った。
相「そうだよ、ニノ！大ちゃんはもう、ニノの彼氏だよっ？」
俺の彼氏・・か。
全然実感ないよ。
ほんっと、最後の最後まで掴めない奴だよ…
分かりづらいんだよ、まったく…
だけど…
「浮気すんな」て言葉とあのキスは、大野なりの俺への気持ちってことなんだよね・・？
そんで、このネックレスは、必ず俺の所へ戻ってくるっていう約束なんだよね・・？
だから俺は、あんたを待ってていいんだよね・・？
ターミナルの窓ガラスから、飛んでいく飛行機を見つめた。
大野・・・
俺を置いてアメリカ行くんだから、必ず成功させて帰ってこいよ。
万が一ダメでも、俺は変わらずにあんたを愛してやるから、めげんなよ。
だから、夢に向かって突き進め大野。
俺はずっと待ってるから・・
相「さて、帰ろっか♪」
ニ「そうだね…」
バイクに乗って海沿いを走っている最中、バイクの音に負けないくらいの声で相葉に言った。
ニ「相葉、頑張れよ！」
相「俺、頑張るっ！さっきのニノ達見てたら、勇気が湧いてきたっ！」
ニ「お前、頼むからひよるなよ？」
相「お前に言われたくねーしっ！」
ニ「なに？よく聞こえない」
相「お前、ずりーぞっ！(笑)」
ニ「フフフッ」
よく晴れた日の海は、空と同じくらい青かった。
すっかり桜が散って、緑色の葉が揺れる土手を一人で歩いた。
季節は少しずつ変わっていく。
ヒラヒラと白い蝶が、俺の前を飛んでいった。
この木が何色に染まった時、俺達はまためぐりあえるだろうか。
何年でも待っててやるよ。
俺の心を掴んで離さないあの青い蝶が、再び俺の前に舞い降りる、その日まで。
−完−
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年3月22日 16時
