涙 �� ページ36
大野の言葉に、一瞬頭が真っ白になった。
ニ「アメリカ・・？」
大「そのグループ、今はアメリカを拠点に活動してて、あっちじゃ凄い人気なんだよ？」
ニ「・・そうなんだ」
大「今、友達の家に居候中で、パスポートも持ってるって言ったら、明日から早速アメリカに来てほしいて言われた」
ニ「・・そっか」
大「飛行機代もあっちで住むとこも、全部向こうが用意してくれるって言うからラッキーだよ♪」
ニ「・・そうだね」
大「だから、急だけど明日出てくね。ニノに恩返しも出来なくて申し訳ないけど…」
明日出ていく・・
大野が・・
急な展開に、胸がギュッと締め付けられた。
大野が、俺のそばから居なくなってしまう。
大野ともう…会えなくなるんだ。
イヤだ…
イヤだよ…
そんなの嫌だ…
俺のそばから居なくなるなんて、考えられないよ…
「行かないで」て言いたい。
「俺のそばから居なくならないで」て言いたい。
だけど…
大野はやっと、自分の手で夢への切符を手にしたんだ。
俺は、大野の夢を誰よりも応援している。
大野の夢が叶うことを、誰よりも願っているんだ。
だったら、そんなこと言っちゃダメだろ…
笑顔で「おめでとう」て言って、最後は笑顔で見送らなきゃ。
ニ「おめでとう、大野！良かったじゃん！俺も嬉しいよ！」
大野に精一杯の笑顔を見せた。
大「ニノ…？」
良かったね…大野。
嬉しいよ…。
ずっと、応援してるからね…。
大「ニノ…泣いてる…？」
気が付いたら、ツーっと涙が頬を伝っていた。
ニ「ああ…ごめん。俺も嬉しくて、ついね…？」
涙を拭って、もう一度笑って見せた。
そして大野への想いを、そっと胸の奥にしまった。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年3月22日 16時
