パピヨン～青い蝶～ (ページ25)

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おおのが好き…⑤ ページ25

遠くで騒がしい声がしている。

だけど、よく聞こえない。

俺は今どこにいるんだろう。

「ニノ」

この声。

「ニノ…」

耳の奥までスッと入り込んでくるような、心地良い優しい声。

大野の声だ。

分かるよ。

俺の大好きな声だから。

白い靄(モヤ)の世界に、大野の顔がぼんやりと浮かぶ。

ふにゃんて柔らかい笑顔で俺を見ている。

もしかして、オーディション受かったのか…？

大野の笑顔が崩れない。

受かったんだ。

良かった…

おめでとう、大野。

嬉しいよ…

大野に向かって手を伸ばして、柔らかい頬に触れた。

お前のほっぺたは、ホントぷくぷくしてるよな。

子供みたいだ。

こうやって、いつも触ってみたかったんだよ。

サラサラと頬を撫でていると、大野が俺の手を握った。

大野・・・

俺さぁ・・・

あんたが好きなんだよ・・・

だから

どこにも行かないで。

ずっと俺のそばで夢を追い続けてよ。

夢を叶えるあんたを隣で見ていたいんだよ。

ずっと隣で応援してるからさ。

ね・・？

大野。

好きだよ・・・

大野の笑顔がスーっと薄れていった。