パピヨン～青い蝶～ (ページ16)

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幸せなひととき③ ページ16

しばらくすると、大野がボディソープの匂いを漂わせて出てきた。

大「あれっ、ニノ、まだ起きてたの？」

ニ「あー、うん。ちょっと目が覚めちゃって」

大「ごめん」

ニ「んー別に」

なんて、眠いのを必死に堪えて起きて待ってたなんて、口が裂けても言えない。

大「今日はニノ、ベッド使って。俺、ソファで寝る」

ニ「別に気使わなくていいよ？あなた、こっち(ベッド)で寝なさいよ」

大「う～ん…じゃあ、一緒に寝る？」

ニ「えっ‼」

大野からの提案に、思わず声がうわずった。

ニ「いっ、一緒にっ！？」

大「うん。ダメ？」

ニ「いやっ、ダメっていうかっ、せ、狭いしっ…悪いかなってっ…」

ドギマギしながら答えると、大野にベッドに押し倒されて、大野もベッドの上に上がってきた。

わわわわっ！！

ヤバイヤバイヤバイっ！！！

突然のシチュエーションに一瞬にして熱が上がった。

信じられないほどの速さで心臓が動いている。

バクバクとして苦しい。

どうしていいか分からなくてギュッと目を瞑ると、大野が俺の隣にゴロンと横になった。

大「全然十分じゃん」

ニ「え、え？」

大「じゃあ、今日は一緒に寝よう！」

そう言って、一枚の布団で自身と俺の体を覆った。

大「電気消すよ？」

ニ「あー…はい…」

大野はリモコンで電気を消すと、俺に背を向けて横を向いた。

完全に寝る気満々だ。

…ですよね。

一人で勘違いして興奮した奴、手挙げろ。