パピヨン～青い蝶～ (ページ11)

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掴めない男② ページ11

一人で色々と考えていると、大野が、がっつり大口を開けてあくびをした。

ニ「先にシャワーでも浴びてきたら？」

大「えっ、いいの？」

ニ「もちろんですよ」

大「じゃあ、お言葉に甘えて～」

ニ「甘えろ甘えろ」

カチッとスーツケースを開けて、ごちゃごちゃと色んな物が入っている中から下着を引っ張り出すと、大野が何か言いたそうな顔で俺を見た。

ニ「どうした？」

大「悪いんだけど…何か部屋着的なの借りていいかな？」

ニ「あー・・そうね。俺とあんたじゃ、背丈がほぼ一緒だし、俺ので良ければ貸してやるよ」

大「やったぁ～！」

タンスから、洗濯済みのスウェット上下を取り出すと、無邪気に喜ぶ大野に差し出した。

それを受け取りながら、大野がニコッと笑った。

大「やっぱ、ニノって優しいや」

ニ「…別に、こんくらい…」

大「そういうとこ変わってないよね」

ニ「そう…？」

大「うん。変わってなくて良かった」

ニ「・・・」

大「ニノのそういうとこ、俺好きだもん」

ニ「えっ・・」

スウェットを片手に、大野が顔を近づけてきた。

ヤバい・・

思わずギュッと目を瞑って、顎を引いた。

大「んじゃ、お先に♪」

軽い調子の声が聞こえてきたと思ったら、大野はヒラヒラと手を振って、浴室へ向かっていった。

なんだよ、今のは・・

胸を突き破って飛び出してきそうなほど、心臓がバクバクと脈打っていた。