パピヨン～青い蝶～ (ページ2)

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その羽根を捕まえたい② ページ2

休日である今日は、清々しいほどの晴天。

はらりと桜の花が舞う土手を、一人で歩いていた。

途中で低地へ降りて、土手と土手を繋ぐ橋の下を通ろうとして足を止めた。

橋の下に誰かいる。

橋で日差しが遮られた陰で、誰かが踊っている。

ストリートダンサーだろうか。

今時ラジカセを地面に置いて、流れる曲に合わせて、一人の男が踊っていた。

なんだか難しいテンポの曲だ。

だけど、その曲に劣ることなく、独特なダンスを踊っている。

重力を無視した、見たこともないような足さばき。

ダンスを知らない俺が見ても、手の指の先まで魂が込められているのが分かる。

その男の華麗な動きに見惚れて、思わず息を飲んだ。

スカジャンを着て、黒いジャージのようなものを履いているこの男。

橋の隙間から陽が差し込み、そいつの首からぶら下がっている金属のネックレスと金髪がキラリと光った。

その男の横顔が照らされる。

あ・・

あいつ・・・

長年探し続けていた蝶を、俺はようやく見つけたんだ。