決断 ページ9
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「……っ!!!」
俺は目を開けると周りを見渡した。
(あの占い師の店……?)
部屋の中央には小さなテーブルと椅子が2つ、
そして、お店に入ったときには気付かなかったが、
俺が今寝ていたのは、部屋の片隅に置かれたベッド。
「気付きました……?」
ベッドの隣の扉が開いたかと思うと、
占い師がコップを2つトレーで運んできた。
「…………」
「とりあえず、麦茶でも飲んで下さい。あと汗もかいてるからタオルも……」
「ありがとう……ございます」
俺が汗を拭いて麦茶を飲み干すと、
占い師は俺の前に椅子を持ってきて座った。
「……単刀直入に言います。貴方はこのままだとあの男に殺されるんです」
「あれは占い師さんが見せたんですか」
「……まぁ、そういうことですね。私は貴方を助ける為に見せたんです。貴方が『生きる道』を選ばせる為に……」
「『生きる道』……俺は、本当に死ぬんですか?」
「はい……もう同じ過ちを繰り返したくないんです。」
「同じ過ち……?」
「全ては語れないですけど……言えるとすれば、貴方にお願いがあります」
「お願い、ですか……」
「はい」
「……未来に行って、あの時代の皆を助けて欲しいんです!」
「未来に行って?……俺が!?」
俺は笑った。
「ははっ……ちょっと、何言ってるんすか?そんなアニメみたいな話は」
「嘘みたいって思うかもしれませんけど、もう、もう、頼めるのはアンタしか居ないんだよ!!!」
占い師の感情が動いた瞬間、
「っ!?」
彼の深く被っていたフードが、
僅かに動き、その顔が少しだけ見えたのだ。
しかし、占い師はそんなことに気付かず、
真っ直ぐ俺を見て言った。
「……とにかく、助けて欲しいんです。皆を……二度と狂わせたくないんです」
「……」
もしも、これが夢で無いのだとしたら……
もしも、本当にこの占い師が『彼』なのであれば………
もしも、未来で大切な人たちが苦しんでいて俺が助けられるなら………
本当に、俺の未来に待ち受けているものが『死』なのだとしたら………
「……貴方に協力したら、俺の未来は変えられるんですか?」
俺は『自分』を犠牲にしてでも、
大好きで、大切な仲間を守ると決めた。
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☆ゆうじゅん☆(プロフ) - mizuki1031さん» お返事が遅くなって失礼しました!宮田くんには色々と苦しい思いをさせてしまいましたが、個人的にはいい終わり方をしたと思っています。続編ですが、パス付でないものがございますのでお手数ですがそちらを見ていただけると幸いです。よろしくお願いします! (2018年6月23日 9時) (レス) id: d317b5e1a0 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆうじゅん☆(プロフ) - ヒロさん» お返事が遅くなってしまい、大変失礼しました。面白いと言っていただいてとても嬉しいです。続編ですが、パス付で無いものがあり、完結しております。お手数ですがそちらを見ていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します! (2018年6月23日 9時) (レス) id: d317b5e1a0 (このIDを非表示/違反報告)
mizuki1031(プロフ) - この話とても好きです!宮田さんが皆を救うために自分を犠牲にしちゃうのは何とも切なくなっちゃいましたこんな凄いお話が作れるなんて凄いです!続きがきになったのでパスワードのヒントだけでもいいので教えていただきたいなって思いました! (2018年6月9日 22時) (レス) id: 71f0953bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ - パスワード付きのは見れませんでしたが見れないなら諦めます。自分はこの話好きです。主さんよく思いつきましたね♪
また新しいのがあれば楽しみにしてます♪ (2018年1月18日 17時) (携帯から) (レス) id: 3157760d2b (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ - 何か気になりますね〜楽しみにです (2018年1月18日 0時) (携帯から) (レス) id: 3157760d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆ゆうじゅん☆ | 作成日時:2014年8月17日 21時