見えない先に ~Future~ ページ45
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「……っ」
しかし、そこには誰も
「はぁっ、はぁっ……横尾さん、どうかしたんですか?」
俺の後を追いかけてきたのか、大城さんが息を切らしながらそう言った。
「さっき、この公衆電話の中に居たんですよ」
「誰がですか」
「それは分からないんですけど……俺をじっと見ていたんです」
「そんな……気のせいじゃあ」
「……そうだといいんですけど」
その時だった。
リンリンリン…………
「えっ!?」
大城さんは思わず声を上げていた。
それもそうだろう……
鳴ったのは、公衆電話だったから。
「な、なんで、公衆電話が……」
俺は恐る恐る公衆電話に近付いた。
「横尾さん!?危ないですよ!」
「いや、大丈夫です」
俺はそう言って公衆電話ボックスの中へ入った。
少し呼吸を整えて、受話器を取った。
「もしもし」
先程ここに居た人が近くから、かけているかもしれない……
そう思って周りを見渡すが、あたふたとしている大城さん以外は人が見当たらない。
「誰なんですか……」
しかし相手からの応答は無く、変わりに受話器の向こうから、近くでトラックの通過する音が聞こえてきた。
(やっぱり近くにいる……!)
すぐ傍の道にトラックが通ったことを確認した俺は、
受話器を捨てて公衆電話ボックスから出ると、
トラックの通った道へと走った。
「あっ、横尾さんどこに行くんですか!?」
「すぐ傍に居るんです!」
しかし、大城さんに腕を捕まれてしまって、
道路の方へと行けなかった、
「離してください!」
「横尾さん、いい加減にしてください!どうしてそこまで電話の相手を追求しようとしてるんですか!?」
「そ、それは……」
確かに、言われてみればそうだ。
公衆電話に居た人だって、たまたま俺を見ていただけかもしれない。
「でも、何であの公衆電話は鳴ったんですか」
俺が大城さんに睨むように言った時だった。
大城さんの顔は今までに無いくらい緊迫とした面持ちをしていて、
「危ない!」
俺を強く押し退け、
―バンッ
突然響いた銃声音。
「えっ……?」
その直後、大城さんがその場に崩れ落ちた。
そして、
「かはっ……!?」
背中を何かで強く殴られ、俺は咄嗟に振り向こうとした。
しかし、そうする前に今度は頭を強く殴られ、俺は犯人の顔を確認すること無く、気を失ってしまった……。
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☆ゆうじゅん☆(プロフ) - mizuki1031さん» お返事が遅くなって失礼しました!宮田くんには色々と苦しい思いをさせてしまいましたが、個人的にはいい終わり方をしたと思っています。続編ですが、パス付でないものがございますのでお手数ですがそちらを見ていただけると幸いです。よろしくお願いします! (2018年6月23日 9時) (レス) id: d317b5e1a0 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆうじゅん☆(プロフ) - ヒロさん» お返事が遅くなってしまい、大変失礼しました。面白いと言っていただいてとても嬉しいです。続編ですが、パス付で無いものがあり、完結しております。お手数ですがそちらを見ていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します! (2018年6月23日 9時) (レス) id: d317b5e1a0 (このIDを非表示/違反報告)
mizuki1031(プロフ) - この話とても好きです!宮田さんが皆を救うために自分を犠牲にしちゃうのは何とも切なくなっちゃいましたこんな凄いお話が作れるなんて凄いです!続きがきになったのでパスワードのヒントだけでもいいので教えていただきたいなって思いました! (2018年6月9日 22時) (レス) id: 71f0953bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ - パスワード付きのは見れませんでしたが見れないなら諦めます。自分はこの話好きです。主さんよく思いつきましたね♪
また新しいのがあれば楽しみにしてます♪ (2018年1月18日 17時) (携帯から) (レス) id: 3157760d2b (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ - 何か気になりますね〜楽しみにです (2018年1月18日 0時) (携帯から) (レス) id: 3157760d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆ゆうじゅん☆ | 作成日時:2014年8月17日 21時