Missing you 〜時の想い〜 Part 1

S-Meeting in K ~Past~ ページ29

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「ちょっと待てよ。それって、絶対に宮田が戻ってくるって事じゃないのかよ！？」

だってそうだろ…絶対に戻ってくるって確証も無いに、こいつは宮田を勝手に未来へ連れて行ったんだ。

身勝手にも程がある。


「もしも、彼が向こうで命を落とすような事があれば、その時は俺がこの時間での『宮田 俊哉』になるんだ」


宮田が……命を落とす？

そんなの……そんなの……！


俺は彼をソファーに叩きつける様に強く押した。

「ふざけんなっ！俺にとっての宮田はお前じゃない！同じ宮田でも、あんたは違う！」

「……そうだよね、分かってる。分かってるよ！だから、俺も全力でそうならないようにしてるんだ！…俺だってこれ以上、誰も悲しませたくない」

彼の目からは、涙が流れ落ちていた。

「でも、これが最後のチャンスなんだっ！あと、二日だけ…あと二日しか無いんだ！このチャンスを逃したら、過去を救う事が出来ても、未来の俺の仲間を救う事が出来ないんだよ！だからっ…だから、ごめん。もう少しだけ『宮田俊哉』を借りるね……」

「……あと二日ってなんだよ」

俺の言葉に、彼はハッとしていた。

「……あと二日もすれば、俺は完全に成仏させられちゃうんだ。あっ、大丈夫だよ、ちゃんと『宮田俊哉』はこの時間に帰すから」

……宮田の悪い癖だ。
そうやって笑顔で言って誤魔化そうとする。

(本当に…こいつも宮田なんだ……)

俺はじっと宮田の目を見た。
……こうすれば、いつも本当の事を話してくれるから。

すると、宮田は溜め息をついて話始めた。

「……俺ね、どうしても玉が犯人を殺すのを阻止したくてさ、神様にお願いしたんだ。
『もう来世も何も要らないから、未来を変えたい』って。そうしたら、神様は俺に十日間だけ時空を越える権利を与えてくれた。
そして、俺は今まで二回過去に戻ってやってみたけど、二回とも食い止める直前で失敗して……目の前で玉が犯人を刺していた」

彼の目はどこか遠くを見つめているようにも見えた。

……もしも俺がこいつの立場なら、目の前で人が殺されるのを二度も見るなんて…しかも、それを行っているのが、ずっと一緒にやってきた仲間なら、耐えられない。

「ごめん…俺、あんたの気持ちも考えないで……」

俺がうつ向いてそう言うと、宮田は背中を優しく擦ってくれた。

「大丈夫、それだけ玉が俺の事を想ってるって分かるから…気にしないで？」


その声は優しくも、深い悲しみも含んでいるように思えた。


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