Missing you 〜時の想い〜 Part 1

S-Meeting In K ~Past~ ページ24

.

『お久しぶりです、相川なぎさです。

以前、宮田さんが玉森さんをお勧めの喫茶店があるということで、私のお店に来ていただいたのですが……覚えていますか？』


そういえば、あのケンカ芸の話し合いの後に行ったお店の店主の人かな。

夜遅かったけど、連絡を入れたらお店を開けてくれて、
美味しいミートパスタをご馳走してくれたんだっけ…

メールを読み進めようとして、手が止まった。


一度呼吸を整えて、もう一度読み進めていく。



『以前言っていませんでしたが、私は事務所の関係者で、宮田さんが失踪したことを聞きました。それで、宮田さんの事でお話ししたいことがあって連絡しました。
出来れば直接お会いしてお話がしたいのですが、大丈夫でしょうか？また、他の方には内密によろしくお願いします。』


…他の人に内密にってのが気になる。


けど、内密にして欲しいって事は、もしかしたら宮田の事を何か知っているのかもしれない。


ちらっと大城さんを見る。
彼は宮田の予定が書かれている手帳を開いていた。

俺は急いでメールを打った。

『お久しぶりです。この間は美味しいミートパスタをありがとうございました。

宮田の事で知ってる事があるなら教えて欲しいです。けど、今日から京都で撮影があるので直接お会い出来ないと思うので、メールで教えて頂くことは出来ませんか？』

よし、これでいい。

メールを送って１分くらいでまたスマホが震えた。

『返信ありがとうございます。今日から京都だったんですね。丁度良かったです。実は今私も京都に仕事で来ていて明日帰る予定なので、明日の朝11時までに下のホテルに来ていただけないでしょうか。ロビーに着いたらメール下さい。よろしくお願いします。』

明日の朝１１時か……

「あの大城さん、今日の撮影って何時ごろまでかかる予定なの？」

「今日ですか？えっと、今日は大体２２時を回ると思いますよ。どうかしたんですか？」

不思議そうな顔で聞いてきたので、俺は少し微笑んで言った。

「いや、久しぶりに京都来たし観光でもしたいなぁって」

「そういうことですか。なら早く終わると良いんですけどねぇ」

「そうだね」

大城さんが手帳に目を移すのを確認してまたメールを打った。

『分かりました。でも僕の方も撮影がいつ終わるか分からないので、終わり次第連絡してもいいですか？』


送信して、またすぐにメールが返ってきた。


『分かりました、よろしくお願いします』


その一言だった。

.

S-Meeting In K ~Past~→←家族 ~Past~

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す