家族 ~Past~ ページ23
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〜Tamamori side〜
京都へ向かう新幹線の中で、ふと思い出した……
宮田が時々……ほんと稀にだけれど、俺の前で弱音を吐くときがある。
少し笑いの混じっている時の軽いノリではなく、
本当に心から傷付いた時だけに泣きそうな顔で俺に想いをぶつけてくる……。
確か、番組でケンカ芸をするって決めたとき、
皆が帰ったあとの楽屋で、宮田は急に子どもの様に泣き始めたんだ。
きっとずっと抱え込んでるから、一度壊れると全て吐き出すまではずっと泣きっぱなしなんだ。
「ほらっ、泣くなって」
俺は宮田の隣に座って背中を擦って、宮田が落ち着くのを暫く待った。
「思ってること言えよ……」
宮田はコクンと頷くと「あのね…」と口を開いた。
「やっぱりさ、ニカの言う通りなんだよ。千さんまで突然巻き込まなきゃ良かったんだよ。いくらケンカ芸をしないといけないからって、メンバーの中で一番年下の千さんを巻き込んだのはダメだったと思うんだ。ほら、千さんって純粋で素直な性格だからさ、俺みたいなネチっこいやつとやったら、めっちゃ傷付いちゃうと思うんだよね。それを考えるとさ、まだお笑い番組をよく見てるニカの方がケンカ芸にむいてたんじゃないかなって……」
「でも、宮田は千賀を選んだじゃん。ちゃんと理由があるんだろ?」
出来るだけ優しく、でも聞きたいことをしっかりと訊ねると、宮田は少し躊躇った。
「それは……」
そこで黙ったので、俺はまた背中を擦った。
「言いたくなかったら別に良いよ……だって俺らは家族みたいなものだろ?だから、言わなくったって、何となくで分かるから。」
俺は優しく微笑んだ。
「ニカも分かってくれるだろうし……ね?」
「だといいけど……」
「大丈夫だって。今までだって、そうやって乗り越えてきたじゃん」
「ありがとう、玉」
「じゃあ、帰りに何か奢れよー」
「ええーっ」
なんて言ってたけど、元気を取り戻したのか、さっきまでの悲しみは引いていた。
(良かった、元気になってくれて……)
****
「……さん、玉森さん」
「ん……」
気付いたら寝てたみたい……
名前を呼ばれて顔を上げると、隣に座っていたマネージャーの大城さんだった。
「もうすぐ京都ですよ。起きててください」
「ありがと、大城さん」
「どういたしまして」
身支度をしていると、スマホがバイブで震えた。
見てみるとそれは、
(……?)
見たことの無いアドレスからのメールだった。
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☆ゆうじゅん☆(プロフ) - mizuki1031さん» お返事が遅くなって失礼しました!宮田くんには色々と苦しい思いをさせてしまいましたが、個人的にはいい終わり方をしたと思っています。続編ですが、パス付でないものがございますのでお手数ですがそちらを見ていただけると幸いです。よろしくお願いします! (2018年6月23日 9時) (レス) id: d317b5e1a0 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆうじゅん☆(プロフ) - ヒロさん» お返事が遅くなってしまい、大変失礼しました。面白いと言っていただいてとても嬉しいです。続編ですが、パス付で無いものがあり、完結しております。お手数ですがそちらを見ていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します! (2018年6月23日 9時) (レス) id: d317b5e1a0 (このIDを非表示/違反報告)
mizuki1031(プロフ) - この話とても好きです!宮田さんが皆を救うために自分を犠牲にしちゃうのは何とも切なくなっちゃいましたこんな凄いお話が作れるなんて凄いです!続きがきになったのでパスワードのヒントだけでもいいので教えていただきたいなって思いました! (2018年6月9日 22時) (レス) id: 71f0953bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ - パスワード付きのは見れませんでしたが見れないなら諦めます。自分はこの話好きです。主さんよく思いつきましたね♪
また新しいのがあれば楽しみにしてます♪ (2018年1月18日 17時) (携帯から) (レス) id: 3157760d2b (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ - 何か気になりますね〜楽しみにです (2018年1月18日 0時) (携帯から) (レス) id: 3157760d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆ゆうじゅん☆ | 作成日時:2014年8月17日 21時