Missing you 〜時の想い〜 Part 1

家族 ~Past~ ページ21

〜Nikaidou Side〜


(なんで？何であいつ居ないの？)

ラジオの収録の為に横尾さんの車に乗り込んでから、ずっとその事が頭ん中をグルグル回ってる。

確かに宮田は臆病だから逃げる事があるけど、
仕事に対してはそんな事は絶対しないって分かってる。

どんなに『嫌だ』なんて言ってたって、
最終的にはきちんと達成してるんだから。


……だからこそ、とっても心配なんだ。

宮田が居なくなるなんて全く予想なんてしてなかった。

何より、このグループはもう誰一人として欠けちゃいけないんだって分かってるから、こんな事が起きるなんて誰も予想してないはず……



ふと隣を見れば、千賀がスマホを見ながら静かに泣いていた。

わったーも目が潤んでるし、ミツはずっと目を伏せている。



……そういえば、前もこんな時があったっけ。


＊＊＊＊


とある番組でケンカ芸をすることになったとき、宮田と千賀が立候補してくれた。
その時はなんで仲が良いのに嘘をついてまでケンカをしなきゃいけないんだって思って、
凄くイライラして、宮田にキツく当たってしまった。


その帰り、俺は横尾さんとガヤさんに強制的に押さえられ、ミツの車に無理矢理乗せられた。

「ああああっもうムカつく！なんで宮田はニヤニヤしてたんだよ、ほんともうムカつく！！！」

「まぁそう言うなって。宮田だってやりたくてやってるんじゃないんだからさ」

ずっとイライラしている俺に、ミツは半ば呆れながら言った。

「……そうだけど」

「それともあれ？千賀が巻き込まれたから双子のニカとしては許せなかったとか？」

「ち、ちげーし！そんなんじゃねぇし！！！」

あながち間違ってもいなかったけど、思ってたことを言われてムキになってしまった。


「わりぃ、わりぃ。でもさ、宮田は立候補したんだろうな」

ミツは運転をしながらそう聞いてきた。

「それは……宮田が言ってたみたいにディレクターがイライラしてたから？」

「じゃあ何で千賀を巻き込んだんだと思う？」

「それは番組で少し言い合いしたから……」

「でもそれはニカでも出来るだろ？」

「……確かに」

宮田って素直じゃないっていうか、言い方が回りくどいから千賀よりも俺の方が突っ掛かっちゃう事が多い。

だからケンカ芸をするとしたら、俺の方が合ってる気もする……


俺が黙り込んでると、ミツが「例えばさ……」と話し始めた。



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