家族 ~Past~ ページ19
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〜Senga Side〜
どこかどんよりとした車の後部座席。
俺の隣にはニカが座っていて、鞄を大切そうに抱き締めていた。
助手席ではミツがずっと腕を組んでいて、
運転席の横尾さんはいつもより険しい表情だった。
…みんな考えていることは、きっと一緒。
俺はスマホを弄ってメールを開いた。
「千さん、振り付け考えるの大変だと思うけど、頑張って!千さんのセンスならカッコいい振り付けになると思うよ!!!ファイト〜、オー!!!(^o^)」
先週だったかな……キ ス マ イのライブの予定が決まった時に、ある曲で振り付けを俺が付けることが決定した。
今までにも何度か振り付けを考えたことはあるけれど、やっぱり考えるのは大変……。
そんな挫けそうな時に、宮田から偶然このメールが届いた。
貰ったときは本当に嬉しかった。
メールの返信をしないときとかもあるけど…
こんな風に宮田は励ましのメールとかをくれたりする。
他にも、番組でケンカ芸をしないといけなくなって、誰がやるのかを決めるときだったかな……
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皆がうつ向いている中、ディレクターは俺と宮田を見ていた。
…きっと俺と宮田が言い合いをしていたのを見て、いけると思ったのかもしれない。
そっと宮田を見ると、宮田もまた俺の事を見ていた。
そして視線が合わさると、優しく微笑んで頷いたかと思うと、口がゆっくりと動いた。
『やるしかない』
俺は頷くことしか出来なかった。
「それじゃあ、僕やりますよ〜。あ、もう一人はそうだなぁ……今日の収録でやったから、千さんでも大丈夫?」
「うん……」
「ちょっと待ってください」
制止をしたのはニカだった。
「なんでケンカ芸なんてしないといけないんですか!?」
「ニカ……」
「二階堂さん、それがテレビの世界ってものだよ……正直、この番組はそろそろ打ち切りに遭いそうなんだ。どうにかしてその防止策を提案しないとね、番組無くなるよ、良いの?言っておくけど、君たちはアイドルとは言えど誰かが犠牲にならないと番組はやっていけないの。この番組の方針なの。分かる?」
ディレクターの言葉に、ニカは何も返せないでいた。
それもそうだ……番組が無くなるのは痛手なんだから。
「それじゃあ、宮田さんと千賀さんのお二人ですね。あとの皆さんは煽り役ということで。」
他に次回の収録日を伝えると、ディレクターは楽屋から出ていった。
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☆ゆうじゅん☆(プロフ) - mizuki1031さん» お返事が遅くなって失礼しました!宮田くんには色々と苦しい思いをさせてしまいましたが、個人的にはいい終わり方をしたと思っています。続編ですが、パス付でないものがございますのでお手数ですがそちらを見ていただけると幸いです。よろしくお願いします! (2018年6月23日 9時) (レス) id: d317b5e1a0 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆうじゅん☆(プロフ) - ヒロさん» お返事が遅くなってしまい、大変失礼しました。面白いと言っていただいてとても嬉しいです。続編ですが、パス付で無いものがあり、完結しております。お手数ですがそちらを見ていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します! (2018年6月23日 9時) (レス) id: d317b5e1a0 (このIDを非表示/違反報告)
mizuki1031(プロフ) - この話とても好きです!宮田さんが皆を救うために自分を犠牲にしちゃうのは何とも切なくなっちゃいましたこんな凄いお話が作れるなんて凄いです!続きがきになったのでパスワードのヒントだけでもいいので教えていただきたいなって思いました! (2018年6月9日 22時) (レス) id: 71f0953bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ - パスワード付きのは見れませんでしたが見れないなら諦めます。自分はこの話好きです。主さんよく思いつきましたね♪
また新しいのがあれば楽しみにしてます♪ (2018年1月18日 17時) (携帯から) (レス) id: 3157760d2b (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ - 何か気になりますね〜楽しみにです (2018年1月18日 0時) (携帯から) (レス) id: 3157760d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆ゆうじゅん☆ | 作成日時:2014年8月17日 21時