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新幹線で大阪まで戻ってきて、廉と正門に一言断わって家に一度戻って来た。
今日の夕方、おおにっちゃんがバイト先に来る。
「.....、俺が会ってええんかな」
ちゃんと目が覚めて、おおにっちゃんが生きてくれてる。
その事実だけ確認出来たら、それだけで救われる。
「前みたいに、なんか贅沢や」
廉も正門もはっすんも、俺のことを責めたりしない。
けど、おおにっちゃんの家族は違う。
きっと俺と会うことをいいとは思ってないはずや。
5年前、俺はおおにっちゃんとこの世から消えようとしていた。
この世界から2人で姿を消そうとして、そんでーーー、
ピンポーン、
チャイムの音がしてドアを開けると、ついさっき別れたばっかの2人がコンビニの袋を持って立っていた。
「どしたん、急に」
廉『どーせ1人にしてたらいらん事考えるんやろ、お前は』
正『新幹線で何も食べんかったし、昼ご飯食べよ』
俺の返事なんか聞く気もなく部屋に上がり込む2人に、ふっと気が抜ける。
遠慮もなく買ってきた食べ物を机の上に広げながら、
廉『お茶ないの？』
って冷蔵庫まで漁る彼らに、もう観念してその輪に入ることにした。
3人でコンビニ弁当とかカップ麺を食べて、何をすることなく過ごしていると、いつも通りすぎておおにっちゃんが起きたことなんか夢だったんじゃないかって思うけど、
「ーーー、なぁ」
正『んー？』
「1個、真面目に相談があるんやけど」
廉『何...？』
あと数時間で出会う。
その事実は変わるわけもないから、変わっても欲しくないから。
俺は机の引き出しから、折りたたみ携帯を取り出して、そっと2人の前に置く。
廉『...！これって、大西さんの？』
「おん」
赤色でストラップが沢山着いたその携帯は、知ってる人が見たらすぐ誰のものかわかる。
正『なんで大吾が...？』
「これ、.....返せんかってん」
廉『え？』
「あの時、ほんまはご家族に渡さなあかんって頭ではわかってたのに、渡せんかった」
廉『.....、そっか、』
ここには、たくさんの想い出が詰まっていて、
このおおにっちゃんの思い出を欲しい人は俺以外にもおるのは頭ではわかってて、
「誰にも見せたくなかってん、なんて言うか、汚されたくなかった」
誰かに見られたら、俺たちの綺麗な想い出はきっと汚く色を変えられてしまうって、
「そういう風にしか思えんかってん、」
正『...そか、』
「これを、おおにっちゃんに返すべきか悩んでる」
＊
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ちゆ(プロフ) - えりなさん» こんばんは！いつもコメントありがとうございます！内容がオリジナルなのでわかりにくい所も多いと思いますが読んで頂けたら嬉しいです(*¨*) (2018年10月27日 0時) (
レス) id: d82cf62acc (このIDを非表示/違反報告)
えりな - 素敵な物語ありがとうございます涙こちらの方も読ませて頂きますね(*^^*) (2018年10月26日 15時) (レス) id: ca05f7c3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゆ | 作成日時：2018年10月12日 23時
